いまだ終息のめどが立たない新型コロナウイルス。
その感染拡大は、已むところを知りません。
新型コロナウイルスに感染するだけでも危険なことなのに、さらに合併症を引き起こす可能性が高いということが明らかになってきたようです。
東京の国立国際医療研究センターのセンター長が、指摘しているそうです。
新型コロナウイルスに感染後に発症した大血管炎
70代の男性が、新型コロナウイルスに感染した後に発症した大血管炎。
以前から、子どもの場合、新型コロナウイルスに感染した後に、川崎病を発症した例があったそうですが、大人が新型コロナウイルスに感染した後に、大血管炎を発症した例は、世界で初だそうです。
川崎病も大血管炎も症状としては、血管に炎症が起きるということです。
川崎病とは
川崎病というのは、1967年に川崎富作博士が発表した、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群という病気で、手や足の指先から皮膚がむける症状を起こす、子どもが発症する病気です。
川崎病は、新しく発見された病気だったため、川崎富作博士の名前から川崎病と名づけられたそうです。
この川崎病は、体中、全身の血管に炎症が起こる病気だそうです。
大血管炎
大血管炎である高安動脈炎は、通常50歳以下で発症するそうです。
そした、同じく大血管炎である巨細胞動脈炎は、通常50歳以上で発症し、側頸動脈、浅側頭動脈、椎骨動脈の分岐が侵されることがある病気だそうです。
ただし、筋肉、神経、腎臓、皮膚などの臓器内の血管は大血管に含まないとなっています。
新型コロナウイルスが合併症を引き起こした事例
新型コロナウイルスに感染した70代の男性が、発熱とせきの症状を訴えたため検査したところ、新型コロナウイルスに感染していることがわかり入院したそうです。
その際の検査で、CT検査などをしたところ、腹部から左右の脚にかけて、動脈に炎症を起こしていることが判ったそうです。
しかし、その70代の男性が、それまでに、血管炎を患ったという病歴がなかったことから、国立国際医療研究センターでは、新型コロナウイルスへ感染した後の発症と判断したそうです。
治療として、その70代の男性に、非ステロイド性抗炎症薬を投与したそうです。
すると熱が下がり、大血管炎は、認められなくなったそうです。
この事例から、国立国際医療研究センターのセンター長は、
「新型コロナウイルスに感染して発熱が続く場合は、大人でも合併症などを起こしている可能性があり、注意が必要だ」
と指摘したそうです。