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アナザーストーリーズは小澤征爾の特集だった

アナザーストーリーズは、小澤征爾さんを特集していました。

1978年、日中国交回復で実現した小澤征爾さんの北京公演。

当時、文化大革命により弾圧にさらされていた中国の音楽家たちと日本人の小澤征爾さんは、奇跡のコンサートを作り上げました。

中国を変えたコンサート

日本を代表する指揮者である小澤征爾さんは戦前、旧満州国で生まれました。

5歳で日本に戻るまでは幼少期を北京で過ごしました。

生まれ故郷である中国でタクトを振ることが小澤征爾さんの悲願でしたが、日本と中国の国交が回復するまで訪中はできませんでした。

1966年、中国で文化大革命が発生しました。

ブルジョワ的とみなされた思想は、徹底的な抑圧と弾圧を受け、中国初のオーケストラである中央楽団の楽団員もその対象となりました。

文化大革命終結後の1978年、小澤征爾さんと中央楽団とのコンサート開催が決定しました。

北京で開催された公演ではブラームスの

「交響曲第2番」

が演奏されました。

父に届けたコンサート

1935年に旧満洲国で生まれた小澤征爾さんは、民族同士が協調するという

「五族協和」

のスローガンを信じて満州国に協力した父、開作に育てられました。

小澤征爾さんが1歳の時、北京へと引っ越し5歳まで過ごしました。

時は日中戦争の真っ只中、多くの中国人が犠牲となり開作は

「五族協和」

とは裏腹な現実に疑問を抱くようになりました。

音楽家となった小澤征爾さんは、中国への思いを忘れない父を訪中の際、連れて行こうとしていましたが、開作は日中国交回復を見ることなく1970年に亡くなりました。

北京で指揮をした小澤征爾さんの譜面台には、父の写真が置かれていました。

人生を変えたコンサート

中国を代表する指揮者のタン・ムハイさんや二胡奏者のジャン・ジェンホワさんは、かつて小澤征爾さんの北京コンサートを見て影響を受けた中国の若き音楽家たちでした。

タン・ムハイさんは小澤征爾さんを

「神様のようだった」

と表現し、ジャン・ジェンホワさんは

「音楽の力を実感した」

などと当時を振り返りました。

現在、87歳になった小澤征爾さんは

「北京の音楽家たちとブラームスを演奏できた事は僕の人生の宝物のひとつです。改めて音楽は素晴らしいなと思っています。」

とコメントを寄せました。

Twitterでのアナザーストーリーズで特集した小澤征爾への反応

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