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昨日のアナザーストーリーズは昭和が終わった日だった

昨日のアナザーストーリーズは、昭和が終わった日でした。

昭和天皇が崩御したのは1989年1月7日です。

この日を迎えたマスコミは、前例のない時代の終焉に大騒ぎとなりました。

テレビが初めて伝えた天皇崩御

今回のアナザーストーリーズ運命の分岐点は、昭和が終わりを迎えた1989年1月7日でした。

最初の視点は、この日に立ち会った報道記者たちからでした。

1988年8月、当時87歳の昭和天皇は、既に病に体を蝕まれていました。

激動の時代を生き抜いてきた昭和天皇のXデーに備え、報道各社は天皇の病状を知るべく情報集めに奔走しました。

しかし、菊のカーテンに阻まれ、思うように情報は得られませんでした。

潮流が変わったのは9月19日、侍医長が深夜に皇居へ向かう姿が目撃されたことでした。

それは昭和天皇の容態急変を意味していて、報道各社は先を争って皇居へと殺到しました。

やがて明らかになったのは、昭和天皇が大量に吐血したという情報でしたた。

報道各社は皇居内に中継車を乗り入れ、宮内庁の内部は記者でごった返しました。

昭和天皇の病気については、詳細な発表がなかったものの、がんであるという情報も出ていて、記者たちは皇居の門に24時間で体制で張り付きました。

情報を求める報道陣に対し、宮内庁は昭和天皇のバイタル情報を公開し、報道各社は連日状況を伝え続けました。

昭和天皇の病状が繰り返し伝えられる中で、社会では自粛ムードが巻き起こりました。

こうして111日間の報道の後、1989年1月7日を迎えます。

午前5時30分頃、テレビ各局は通常放送を打ち切り、陛下が危篤状態にあることを伝えました。

それから程なくして、テレビは史上初めて天皇の崩御に立ち会いました。

真実を証言した医師 苦悩と決断

第二の視点は、昭和天皇の病名を確定した病理医・浦野順文からでした。

当時、東大の医学部教授であった浦野医師は、昭和天皇の病名が慢性膵炎と報道されていた中で、数少ない真実を掴んでいました。

天皇の体細胞を検査した浦野医師は、昭和天皇が十二指腸に癌を患っていることを掴んでいましたが、侍医長を含めた関係者との協議でこの事実は天皇に対して伏せられることとなりました。

これに対し、浦野医師は

「いつまでも隠し通せるものではない」

と考えていたそうです。

陛下の病状に対する情報が錯綜する中、自宅や研究室にまで殺到した記者たちと浦野医師は関係を深めていきます。

そうした中で、浦野医師は、1人の記者に昭和天皇の診断書を手渡しました。

自らも肝臓がんを患い、余命が長くないことを悟っていた浦野医師は、真実の公表を記者に託したのです。

診断書を託された記者は

「天皇の存命中にはニュースにしない」

という条件を設けた上で、浦野医師にインタビューの約束を取り付けました。

自身も体調が悪化していく中で浦野医師は、カメラの前で陛下の病状を詳細に解説し、診断の経緯を詳しく説明しました。

浦野医師が死去したのは、その9日後のことでした。

それから1年後、昭和天皇が崩御した日に、浦野医師のインタビューはNHKで報道され、託された思いは無事に国民へと届けられました。

日本国民 天皇と昭和

天皇崩御の一報を受け、日本社会は正月ムードが一変しました。

あらゆるイベントが中止となり、テレビは軒並み特別編成となりました。

全国高校ラグビーの決勝戦も中止となり、前代未聞の両者優勝という結末になります。

この試合は25年後に当時のメンバーが集合して再び行われたそうです。

全国では多くの人が昭和天皇に弔意を寄せたものの、戦時中に過酷な経験をした沖縄では複雑な思いを抱く人も少なくありませんでした。

昭和天皇は生前、最後まで沖縄訪問を切望していました。

その遺志を継いだ上皇さまは、平成5年に初めて沖縄を訪問しました。

その後何度も沖縄を訪れ、慰霊と県民との交流に心を尽くしています。

Twitterでのアナザーストーリーズで特集した昭和が終わった日への反応

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