昨日のNHKスペシャルは、中流危機の2回目で賃金アップの特集でした。
賃金を上げるにはどうしたらいいのか、京都大学大学院の諸富教授に聞きました。
諸富教授は
「産業構造の転換が必要」
と語りました。
平均賃金の国際比較では、欧米諸国がここ30年右肩上がりなのに対し、日本はほぼ横ばい、アジアの中では、韓国が日本を抜いて上位に来ているそうです。
諸富教授は
「産業の国際競争力の低迷を反映している」
とし、
「徐々に企業側の意識も変わってきて賃金を上げ始めているが、世界的なインフレで生活の豊かさは改善していない」
と述べました。
目次
賃金アップの処方せん
かつて、1億総中流社会といわれた日本の経済成長を支えたのは、中間層の人々でした。
バブル崩壊以降、日本企業はグローバル化やIT技術の革新といった世界の潮流に遅れを取ってきました。
今、ドイツの製造業の現場では、従来のモノづくりからの転換が進んでいるそうです。
これまでデジタルとは縁のなかった人たちに、国をあげて新たな職業能力の習得を促しているそうです。
日本では、非正規雇用の賃金アップを目指す取り組みも始まっています。
国民一人あたりのGDPが、日本の1.4倍のオランダは、大胆な政策転換から生まれたパートタイム経済で、労働者が安定した収入とプライベートを両立しています。
リスキリングは稼げる産業を生み出せるか
大手電気メーカーの日立製作所は、現在、デジタル化が進む中、事業を変革するため、従業員のリスキリングを進めているそうです。
リスキリングとは、今持っているスキルの他に、事業環境の変化にあわせて新たな業務に必要な職業能力を習得させることです。
この先に見据えているのは、デジタル技術を使って社会課題を解決するソリューション事業の拡大です。
こうしたソリューション事業の利益率は約12%で、グループ全体の利益率の2倍に上っているそうです。
日立製作所では、AI分析による学習システムの導入に4億円を投資しているそうです。
ドイツの国家戦略
ドイツでは今、国を挙げたリスキリングに取り組み賃金を上昇させ、デジタル技術を駆使したイノベーションが続々生み出されているそうです。
元警備員が、工業用ロボットのオペレーターとして活躍するなど、新たな職を得る人が次々と生まれているそうです。
2013年、ドイツ政府の製造業大改革に対して、製造業労働組合IGメタルが、リスキリングの重要性を強く訴えた結果、政府は法律改正を行い、企業がリスキリングを推進できる環境を整えました。
国を挙げてのリスキリングの目的は、従来の産業から成長産業へ労働移動を行うことです。
雇用エージェンシーでは、これまで失業者の支援が中心でしたが、在職者へのカウンセリングを始めました。
リスキリングで成長産業を生み出せるか
諸富教授は
「ドイツのようにリスキリングで労働移動を促し産業構造や経済の仕組みの転換を行わないと賃金は上昇していかない」
と述べました。
ダイヤ精機社長の諏訪さんは
「中小企業ではリスキリングが浸透していない」
と現状を訴えました。
日本労働組合総連合会の松浦さんは
「政府・労働組合・経営団体の三者で話し合いを進めていくことが必要」
と語りました。
パートを管理職にするなどの非正規雇用の待遇改善
日本では、高齢・単身世帯が増え、非正規雇用が増加したことで、世帯所得200~300万円台の世帯が最も多くなっています。
イトーヨーカドーでは、パートでも管理職に昇進できる制度を実施していて、管理職としての手当や福利厚生は正社員とほぼ同じとなっているそうです。
顧客ニーズに合わせて店舗主体で決める販売手法へ転換するため、パートの待遇を改善しようと取り組んだのがこの制度だそうです。
非正規雇用の賃金格差をどう是正するか
非正規雇用の賃金格差について、諏訪さんは
「経営者の役割は固定費の削減で利益を出すのではなく雇用を守るためにいかに売り上げを伸ばすか、それを考えるのが経営者の仕事」
などとコメントしました。
大手スーパーの取り組みについて松浦さんは
「パートタイムの人たちの働きにどう報いるかという視点を経営者に持ってほしい」
などとコメントしました。
パートタイム経済の国オランダの豊かさの秘密
パートタイマーの待遇改善に長い年月をかけ取り組み経済成長を続けるオランダ。
アムステルダムで、パートタイムの警察官として働くエファナーさんは、シングルマザーとして11歳の子供を育て、1日9時間、週に3日程度働いているそうです。
オランダのパートタイマーは、フルタイムの人と時間あたりの給料が同じで、昇給・昇進もあり福利厚生も保証されているそうです。
オランダでは、雇用されている人のおよそ半数がパートタイマーとして働いているそうです。
オランダ社会が大きく変わるきっかけとなったのは、1970年代のオイルショックに伴う経済危機と言われています。
多くの企業が倒産し、失業率は9%に上りました。
企業が社員1人あたりの労働時間を短縮、社員同士で仕事を分け合い雇用を守ってきました。
しかし、ワークシェアリングによる時短勤務で、男性の収入が減少したそうです。
女性が、低賃金のパートタイマーとして家計を支えるケースが増えたことで、パートタイマーの待遇改善に動いたオランダ労働組合連盟。
1996年には、労働時間による待遇の差別を禁じる法律が成立しました。
同一労働・同一賃金が実現し、非正規のパートタイマーが正規雇用に変わっていきました。
IT企業に務めるサンダーさんは、3人の子どもたちの育児を妻と分担するため、7年前からパートタイムで働いています。
オランダの国民1人あたりのGDPは、日本の1.4倍に上っている一方で、コロナ禍で企業と雇用関係を結ばず低賃金で働く労働者の問題も生まれています。
格差の解消こそが賃金アップへの道
諏訪さんは
「正直うらやましい、新しいアイデア・イノベーションが生まれ企業が成長する可能性が増える」
などとコメントしました。
松浦さんは
「労働時間の長さではなく同じ基準で仕事を評価する。そのことが同一労働・同一賃金の根幹的なこと」
などとコメントしました。
諸富教授は
「政府・労働組合・使用者、団体で合意形成する場が新たなに必要」
と分析しました。
豊かさを取り戻すために今、何が必要か
豊かさを取り戻すために今、何が必要か?と言うことに諏訪さんは
「企業の意識改革」
と提言しました。
松浦さんは
「政・労・便で未来づくりを!!」
と提言しました。
諸富教授は
「成長戦略の民主化」
と提言し
「労働組合も入った成長戦略が今は求められる」
などと説明しました。
TwitterでのNHKスペシャルへの反応
このことからすると、この処方せんだけで上手くいくというような解にはなっていない。
やっぱり考えが浅いNHKスペシャル。
もう少し広範囲に意見を聞いた方が良いのでは?
普通のパートさん、1日9時間・週3日だけ働いて月収2500ユーロ(36万円)、子供と2人十分に暮していけるとか。
オランダの1人当たりのGDPは日本の1.4倍。
そのオランダの考えが素晴らしく完全な同一労働同一賃金。
発注企業は適切な賃金払っても中抜きされてたら、労働者は低賃金で働くしかない。
非正規雇用の問題は、すべて南部と竹中が諸悪の根源🤬
同じ役割を強いて給料同じと解釈すると絶対に平等になんかならないんですけど。時間で評価してないようで時間に縛られる矛盾
本人が努力(積極性とか言葉は色々)をしないと賃金上がらないよということか
要約すれば労働移動(+リスキリング)と同一労働同一賃金という結論でした。
を見るが
結局、オランダの例を見ると
馬鹿な政治判断こそ
沈没を招く。と感じるわ。
それと労使交渉、
日本人は下げて見すぎよね。
経営者と労働者
対等に戦うには数の力しか経営者に圧力なんてかからない。
オランダの事例、パートタイマーと正規雇用の「完全同一労働同一賃金」には政府と企業、労働組合が手を組みとあって
この「労働組合」は業種別ユニオンで、日本の「企業別御用組合」とは全く異なる組合なのだろう
その辺りを考察に入れないと、単なる「出羽守」だな
オランダ最大の労働組合が「パートタイマーの待遇改善に取り組む」→経営者協会が意見を変える→90年代に「同一労働同一賃金法」成立。オランダ労働組合の発言→低賃金で働くことはイノベーションを妨げる
オランダ パートも正規の短時間労働者
時間で同一賃金、働く時間で賃金が違うだけ。
しかし日本
男性正規労働者を100とすると
女性非正規労働者は約50
半分の賃金だ。
全労働者の中で非正規労働者は約4割
官民でワーキングプアだらけ
同一労働同一賃金制度があるようだが
グレーゾーンに葬り去られるようだ
(NHKスペシャル)
NHK総合
「NHKスペシャル」
『中流危機 第2回
賃金アップの処方箋』
絶望しかない
ガチ系ドキュメンタリー
答えはないけど
視聴した各自が
答えを見出すしかない
考えさせられる番組ッ♪
お暇な方は是非ご視聴を♪
中流危機を越えて
2回目始まりました。
今日は賃金アップの処方箋
だそうです。
どうしたら、上がっていきますか?
リスキリングとは?日立の例からスタートです。
NHK。スペシャル。“中流危機”を越えて。
失われた平成から、賃金が全然上がらないのに、社会保障がどんどん上がっている。
上向いてる?
街中に行って、普通に働いてる人達に聞いてみたら??
結局、格差ばかりの後進国な日本でしかない。