今、日本では、中流危機が進行しているそうです。
会社員の男性は、手取りが10万円以上減少しました。
基本給が上がらず、手当も大きく減ったことが原因です。
日本の世帯所得の中央値は、25年前に比べて約130万円減少し、中間層が沈み込む減少が起きています。
NHKスペシャル中流危機の第1回目のテーマは、企業依存社会でした。
NHKスペシャルでは、企業依存を抜け出せるか解決の糸口を探りました。
専門家は、全体の約6~7割を所得中間層としています。
かつては、この層が一億総中流の豊かさを象徴していました。
しかし、内閣府が発表したデータによると、この25年で所得全体が沈み込み、中央値は約130万円下がっているそうです。
その要因には、単身世帯や高齢世帯、非正規雇用が増えていることなどが挙げられるのですが、正社員の賃金が減っていることも要因となっているそうです。
目次
賃金が上がらない!揺らぐ正社員の暮らし
高校卒業以来、自動車関連会社で正社員として勤めてきた小沢清さんと派遣社員として働いている妻の恭子さん。
世帯収入は750万円だそうです。
2人が結婚したのは、バブル絶頂期の頃で、毎年基本給もボーナスも上がり続ける右肩上がりの時代でした。
家族の楽しみは、毎年必ず子ども3人が望むところへ旅行することだったそうです。
しかし、一時約700万円だった年収は、40代で500万円台まで落ち込みました。
原因は、年功賃金による昇給が抑制されたことです。
基本給は、この20年で5万円しか上がっていません。
また成果給も下がり、大きく収入は減りました。
また、奨学金・教育ローンの900万円を子どもたちと折半しています。
正社員の収入は、この20年余で大きく落ち込みました。
生涯賃金は、男女ともにピーク時の比べて3500万円以上減少したと推計されています。
また、1人あたりの実質賃金も、他の先進国が伸びているのに対し日本は、ほぼ横ばいです。
上がらない賃金!企業依存の現実
佐藤工機の年間売り上げは、約30億円だそうです。
従業員は、250人だそうです。
この20年で、価格競争が激化しました。
年々利益を上げることが難しくなっているそうです。
正社員の平均賃金を2割減らしたそうです。
日本企業の経営が危機を迎えたのは、1990年代に入ってからです。
バブル崩壊、国際競争の激化などで、デフレ経済の時代に突入した日本。
価格競争に巻き込まれた企業は、稼ぎが減り、人や設備への投資が鈍化しイノベーションも起きないため、賃金が上がらないという悪循環に陥りました。
佐藤さんが変えようとしているのは、長年続けてきた雇用システムです。
佐藤さんは、年功型の賃金制度から成果報酬型へ変更することを決定したそうです。
さらに佐藤さんは、新たな価格競争に巻き込まれました。
長年受注してきた製品に、中国企業が参入してきたため、従来より価格を25%値下げしましたが、取引先からは、さらに20%の値下げを求められたそうです。
今回もし受注できなければ最悪の場合、売り上げの2割以上を損なう恐れがあるそうです。
イノベーション生めず!企業抱え込みの限界
日本企業の能力開発費は、2割以上減少したとみられています。
この間、世界ではイノベーションが次々と起きましたが、日本企業はその波に乗り遅れてきました。
その課題に向き合ってきた企業があります。
80年代を中心に最先端の商品を次々と生み出してきた企業です。
林さんは、長年ビデオカメラの開発に携わってきました。
既存の製品を改良することで、大きな利益を得られていた時代は、自前で育てた人材や設備を抱え続けるシステムがよく機能していたそうです。
IT化が進み、既存のシステムが売れなくなっていくと、それまでのシステムが負担になってきたそうです。
成長分野へ移行することが難しかったのです。
日本ビクターとケンウッドは、2008年に経営統合しました。
2011年には、主要事業を縮小し、正社員約740人を削減しました。
中間層の所得が上がらない背景
企業が稼げず、利益が減ると、規模が縮小しイノベーションが起きなくなります。
そして、価格競争に巻き込まれ、さらに企業は利益を挙げづらくなり、社員の賃金も上げられなくなるという悪循環が見えてきました。
中間層の賃金が上がらない現象について駒村さんは、中間層の所得が減ると購買力も下がり経済成長も下がると指摘しました。
また、雇用システムに着目した改革が必要などと話していました。
正社員の雇用を重視 政労使の不況下での議論
日経連の常務理事を務めていた成瀬さん、連合の幹部だった久川さんは、企業は雇用を守り続ける責任があると訴えていました。
元厚生労働省の戸苅さんは、失業者を増やさないことが急務だったと言います。
賃金よりも正社員の雇用を重視したと言う判断が、その後の中間層を巡る状況にそういう影響を与えたのでしょうか?
駒村さんは、海外に比べ失業率を抑えたというメリットはあったと思うそうです。
一方で、賃金が上がらず、中間層の生活に問題が起きたなどと話しました。
また政府は、トリプルダウン的な効果を期待しましたが、実際には賃金はほとんど伸びず、全体的に低い方にシフトしていったなどと言いました。
親より豊かになれない!揺らぐ将来設計
20~34歳を対象に
「親より豊かになれるか」
と質問したところ、34%が
「豊かになれない」
と回答しました。
建設会社で正社員として働く松井さんは、妻、3人の子どもと暮らし、年収は、約500万円だそうです。
4年前、3000万円のローンを組んで戸建ての住宅を購入しましたが、基本給は上がらず、コロナ禍で現場手当も減少しました。
ローンを支払うことができず、1970万円で売却を決断したそうです。
それでも約700万円の返済が残り、新たな引越し先を探していました。
会社頼みの収入に不安を感じ稼ぎ方を探る若い世代
正社員として食品加工会社に勤める青木さんは、入社以来、賃金は上がらず、リスクを覚悟して給料の半分を株式投資しているそうです。
2年間で約100万円の利益を出していて、資金をさらに捻出するために、友人からの誘いは断っているそうです。
毎月、全国各地で投資セミナーが開かれ、定員はすぐ埋まるそうです。
また、非正規雇用の人々は、将来の暮らしの見通しについて、4割以上が
「悪くなる」
と回答しています。
キャリアアップできないと苦悩する非正規社員
派遣社員の小野さんの年収は、470万円だそうです。
マネジメント職の正社員を目指しているのですが、スキルを磨く機会を逸し、職業訓練も探しましたが、失業者が主で、働きながら参加できるメニューは限られていたそうです。
沈む中間層の社会への影響
消費意欲が高いとされる中間層の所得が落ち込むと、国全体に大きな影響を及ぼします。
20年前と比較し、個人消費が年間12兆円以上も減少した可能性があるそうです。
駒村康平教授は、収入アップが見込めないとなると、将来への展望が持てず、未婚や少子化に繋がり、さらに消費が減少するなどと語りました。
消費が減れば、企業の売り上げは減り、賃金アップなど見込めず、分断社会が懸念されます。
再び稼げる力となる新たな人材投資
JVCケンウッドでは、サービス事業へのシフト、人材投資で成果を上げているそうです。
顧客は、ドライバーではなく保険会社で、自動車事故の際、同社の通信機能を備えたドライブレコーダーにより保険会社とドライバーが自動で繋がり、映像や位置情報が通知されるそうです。
開発部署では、エンジニア、商社マンなどを外部から採用し、ベテラン社員にも新たな分野への挑戦を促しているそうです。
ドライバーの顔の角度から、AIが脇見運転かどうか判断するサービスは、事故防止に効果が期待され、運送業界への販路拡大を目指しているそうです。
稼げる人材を!脅威の選択と集中
コンサルティング会社が大手企業238社に行った調査の結果、年齢や役職に応じた社内研修から、選抜者、キャリアに応じた研修を増やしていくそうです。
マーサージャパンの人材コンサルティング部門代表の山内博雄さんは
「個人からすると、スキル・キャリアを自分の責任で身につけていかなければならない」
とコメントしていました。
企業依存をどう抜け出すか
政府の骨太の方針の柱の1つとして、人への投資に、3年で4000億円規模の予算を投じると言うものがあるそうです。
一方、理想とする働き方についてアンケートをとったところ、
「終身雇用」
が51%を占めたそうです。
駒村康平さんは
「キャリアアップを図る機会、時間の他、コストやリスクを誰が担うかが大事になってくる」
と話し、本来であれば、政府が公的扶助を担う必要があると言いました。
企業としては、労働者の生活に思いを馳せ、労働者側も自らのキャリアをデザインする社会が望まれます。
Twitterでの中流危機への反応
残額700万円で今後家賃を払う事を考えれば、ここは無利子融資で役所が助けてあげれば良かったのに。
少子化の中、子供を育てている貴重なご家庭なのだから。
所得の中央値が1505万円→374万円の話。
バブル期に不安なく結婚し三人の子どもをもうけ今55歳で苦しい生活を見て「バブルが味わえただけ良かったやん」「なんで対策せんねん」って思った。
こういう世代間の無理解や自己責任論がより苦しさを生むんだろうけど。
今の低賃金は、時代の流れの部分も大いにあります。だから、ベーシックインカム導入が必要です。
3000万円35年ローン(金利0.5%なら月78000円)で新築で広い自宅を4年前に購入。給料が下がり止む無く約1900万円で売却し、狭い賃貸に引越し。残債700万円返済+家賃69000円なら、売却せずに広い家に住み続けても負担あまり変わらない気がする。何で売却したのかな🤔
そこは皆理解してるけど、私個人的にはその流れを危険に感じてます。政府統計は参考になるけどあんまりだったなあ。
他人の人生に口を挟む権利はないが、若い頃から住宅ローンを負ったり投資セミナーや○○コンサルタントに未来を託す選択は敬遠すべきと思う。
間もなく相続で資産が大量に世代間移転していく。不動産を細切れにして資産価値を棄損させたり格差拡大を防ぐ対策が必要。
枝野幸男前代表が去年の衆院選で訴えていたのは正に社会の分断を煽る行為!
枝野幸男は日本を破滅させる政治家だ!
#枝野幸男は日本国民の敵
枝野幸男が去年の衆院選で訴えていたのは正にこれ!
自分のやっていることわかってる?
日本を破滅させるために政治家やってんの?
ふざけるな!
再放送いつだろ
中流危機というか、もう“危機“という段階じゃないと思う。
天気もだし、どんよりしちゃうな。
あっまい菓子パンでも食べよう。
大卒41歳 派遣社員
転職10社以上、マネジメント業務につきたいが経験もスキルがない
失業者でないから講座受けられない。
教育訓練給付金は使えないのかな?
まあ中年より
若い人に、キャリア形成できるように教育支援してあげて欲しい。
政治が意識を変えてほしい。現在の既得権益組織が潤うためだけにお金の回すのではなく、未来に投資する。子育、教育に予算を振り分け、イノベーションが起きる仕組みを構築することに注力してほしい。
そのために、垣根を越えて、地域と繋がりたい。
#NHKスペシャル
もっと早く危機に気づいていればよかったのですが。
もう遅い?
まだ間に合う?
家を買える人(どこで買うかによりますが)は中流ではないって言ってるならそれはそれでかなり悲しいことですが
テーマが下流危機ならもっとリアルな困窮がみれるでしょうね
賃金上昇はいつ訪れるんでしょうね
そうこうしてる間に物価だけが上がっていく
痛い程解る。
リーマンショック、大震災、コロナ、戦争による値上げ、稼ぐのって大変😓
#NHKスペシャル
7,366件のツイート
Nスペ「中流危機を超えて」で、わやわやとw
政府が問題だとする意見が多いけど、経団連等の免罪符になってる番組やんw
就職氷河期も、30年デフレも増税も、罪務省と経団連のコラボだしw
ま、罪務省仲間の岸田政権じゃ、どうしようもないわなw