事八日とは2月8日と12月8日の年2回、またはいずれかの日に行われる日本の古い年中行事です。
この日は悪いものを払う魔除けや、神様を迎えるお供え物など、さまざまな風習があります。
しかし、地域によって事八日の意味や行事の内容は大きく異なります。
事八日の起源や由来、そして地域ごとの風習について詳しく見ていきましょう。
目次
事八日とは?意味や由来、地域による違いを解説
事八日とは、2月8日と12月8日の年2回行われる行事の総称です。
この日は一つ目小僧や疫病神などの妖怪が家に訪れるとされ、それを避けるために針供養や物忌などの風習があります。
事八日は物忌みすべき日であり、家族で静かに過ごすことが求められています。
事八日の起源は神の送り迎えの祭りにあると考えられていて、地域によって事始めと事納めの呼び方が異なります。
針供養が行われる「事八日」の歴史と意味
針供養は9世紀頃に中国から日本に伝わったという説がありますが、起源の詳細ははっきりとはわかっていません。
平安時代には清和天皇によって法輪寺に針供養の堂が建立され、針を供養することを重視していたことが伺えます。
針供養には、
- 針への感謝や労い
- 裁縫の上達を願う
という意味合いがあるようです。
針供養はいつ行うのかというと、かつて日本では2月8日と12月8日は「事八日(ことようか)」とされ、それぞれ2月8日は「事始め」、12月8日は「事納め」と呼ばれていました。
お事汁(六質汁)のレシピと作り方
お事汁とは、2月8日、12月8日の「事八日(ことようか)」に、無病息災を祈って食べる野菜たっぷりのみそ汁です。
六質とは、里芋、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、あずきの6種類の具材のことで、それぞれに意味があります。
例えば、里芋は子孫繁栄、大根は健康長寿、にんじんは縁起物などです。
お事汁の作り方はだし汁に野菜と豆腐を入れて煮て味噌を溶かすだけの簡単なものですが、地域によってはあずきやもちなどを加えることもあります。
事八日の行事で魔除けと祈願をしよう
事八日の行事は地域によって様々な形で行われていますが、共通するのは、魔除けと祈願の意味があるということです。
例えば、一つ目小僧が来るという言い伝えがある地域では一つ目に通じる針を使う針仕事を休んだり、目籠を竿先に掛けて軒先に立てたりします。
また、針供養や人形供養などの行事も、針や人形に宿った神や霊を慰めて鎮めるという目的があります。
さらに、お事汁やコトウボタモチなどを食べることも無病息災や家内安全を願うことにつながります。
ササガミ習俗とは?北関東の事八日の風習を紹介
ササガミとは、北関東の茨城県南西部と栃木県南部の県境付近の限られた地域に伝承される事八日の一つです。
2月8日、12月8日、または11月8日に竹笹を3本組んで、小豆飯、うどん、またはそばを供えます。
この行事は竹笹に神が宿るという信仰に基づいていて、竹笹に願い事を書いた紙を結びつけたり、竹笹を持って家を回ったりします。
ササガミは古くからの農耕儀礼として、五穀豊穣や家運隆盛を祈る意味があるとされます。
伊那谷のコト八日行事とは?風邪の神送りと事念仏の意味
伊那谷のコト八日行事とは、長野県南部の伊那谷一帯で2月のはじめに行われる行事です。
この行事は風邪などの疫病神を鎮めたり送り出したりするコト八日行事の一つで、事念仏と事の神送りの2つの行事からなります。
事念仏
事念仏は子供たちが集落内の各家や神社などを回り、鉦と太鼓に合わせて念仏を唱える行事です。
事の神送り(風邪の神送り)
事の神送り(風邪の神送り)は家庭ごとに用意した笹竹に爪や毛、洗米などを入れて、疫病神を集落境まで送る行事です。
この民俗行事は、特に子供たちを育む上でも貴重な民俗行事といえます。
Xでの事八日への反応
これが!静岡県西部に伝わる「事八日」と何故か悪魔合体した節分の鬼脅し!!!軒先や庭先に立てたり吊るすんだぜえ pic.twitter.com/PwDhqUY4AX
— 小林成彦|見習い猟師カメラマン (@naru422) February 3, 2024
#自由猫読書倶楽部
知れば恐ろしい日本の風習
恐ろしくないけど神道と仏教混じって頭混乱まいっか
花供養っていいね
事八日
母地獄で逆さ吊り!お盆
一番よかったえんがちょって由緒正しい物だった!えんがっちょ!— ようかん (@kotoranetsuke) January 28, 2024
加太淡嶋神社。婦人病に霊験あらたかとして信者を多く集めた。現在でも事八日の針供養・人形供養の神社として知られる。神社本庁に属さず、神道淡島教団として活動している。祭神である「淡島」は、国生み神話で親神たちに「子の例にいれず」と、蛭子とともに海に流された悲運の神。#暴れん坊将軍
— 小川幸辰 (@YP3xqnYKspOSM59) January 18, 2024
こないだ事八日の話が流れてきた時にこれ思い出してたけど、正月だし神棚にお供えするものだからまた別か
— 神姫 (@4n_key) December 30, 2023
果ての二十日っていう風習があるんだねえ〜二十日日(はつかび)とも
年中行事辞典引いたら事八日との関連も指摘されたり、そこそこ怖いことも書いてあった— 松浦はこ🗓️暦の擬人化📍 (@matsbox) December 20, 2023
まず事八日の針河豚自体種類が明確ではなくて、ある程度の種類のフグ科が岸に打ち上げられてる
故にどのフグであってもそれはシジウブクとして成立する
— 立竝鳩っ子@どこか (@D29Necropigeon) December 19, 2023
貞周の俳句(R5/12/8)
事納め二十歳の日記埋めてをり
季語は事納め。事八日、お事汁、むしつ汁、納め八日。一年の農事、祭事を始める2月8日の事始に対して、12月8日をいう。農作業を締めくくる節目の日。古希の頃から何十年続けた日記をやめ、読み返す事もしていない。先ず20歳頃の日記を土に返そう。 pic.twitter.com/jRvpUOzxup
— 奥山貞三 (@teddyboy520524) December 19, 2023
@Yohukasi_TL 事八日!はじめて知った
妖怪が動く日らしいけどコンリュウは「物忌ですよ」っつってサボってそう。毎日そうでしょ— さじょう (@sajou_kikaku) December 14, 2023
お久しぶりです、果ての月ということですっかり冷え込んできましたね
さて、事八日には妖怪がやってくると言いますが、皆さんのところに彼等はやってきましたか?
これから更に寒くなりますが、お体にお気をつけてください— 小夜なら、不可思議 (@Yohukasi_TL) December 14, 2023
おお〜!事八日に関する食事だ!
”昭和のはじめのころには悪魔払いの行事となっている”が興味深いですね 相模川流域でこのような食が… https://t.co/bvgS0EChvB
— 松浦はこ🗓️暦の擬人化📍 (@matsbox) December 13, 2023
このあいだ事八日があって目の多い籠を軒先に吊るすといいという話を聞いた後、ハチの巣避けにもなると聞き「籠……お前ってやつは有能オブ有能……」と感動しきり
— ルーシャオ (@rogyo_rux) December 12, 2023