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情熱大陸でがん治療研究者の小林久隆を特集していた

昨日の情熱大陸で、がん治療研究者の小林久隆を特集していました。

がん治療研究者小林久隆

アメリカのメリーランド州の国立衛生研究所に、光ファイバーを使った全く新しいがん治療

「がん光免疫療法」

に取り組む研究者の小林久隆さんがいます。

小林久隆さんは、西宮の生まれで、阪神ファンです。

がん光免疫療法は10年前、アメリカが誇る最先端の研究として紹介されましたが、それを研究していたのが小林久隆さんでした。

今年、日本にがん光免疫療法専門の研究所が設立されました。

大きな反響でした。

1人でも多くのがん患者を救いたいとの一念で続けた地道な研究が、いま花開こうとしていますが、小林久隆さんは、

「もっと成熟していかないといけない」

などと話して、まだ満足してはいません。

小林久隆さんの思いは、光と同様に真っ直ぐです。

アメリカ国立衛生研究所のオフィス

小林久隆さんは運転が好きで、アメリカ国立衛生研究所へはマイカー出勤をしています。

駐車場から歩くこと5分の場所に、小林久隆さんのオフィスがあります。

この日は、特許申請の書類づくりに追われていました。

これまでに書きあげた論文は500本を超えます。

がん光免疫療法

がん光免疫療法は、従来のがん治療とは全く異なります。

抗体に光に反応する物質をつけ、点滴で体内へ送ります。

抗体は、がん細胞特有の突起のようなものだけにくっつく性質があります。

そこに近赤外光という光を当てると、化学反応し、数分でがん細胞だけが破裂します。

正常な細胞は傷つけないだけでなく、がんに対する免疫力も上がります。

光免疫療法の保険適用

5月、小林久隆さんは神戸にいました。

日本は世界に先駆け、光免疫療法の保険適用を始めています。

この日、小林久隆さんは学会で実際に治療を行う医師たちに向け講演しました。

学会は臨床医と直接話せる貴重な機会でもあります。

大きながんへの対処は、光免疫療法の課題の一つです。

現在、全国62の病院で光免疫療法が行われています。

現在、光免疫療法は外科的切除ができず、抗がん剤、放射線でも回復しないがんに限られています。

日本にいる間、小林久隆さんのスケジュールは、自分の患者に光免疫療法が有効かどうか助言を求める臨床医などとのアポイントメントで詰まっています。

小林久隆さんが現場から信頼されるのは、貫いてきたスタイルにあるのかもしれません。

小林久隆の生い立ち

小林久隆さんは1961年、教師同士の夫婦の間に生まれました。

親から勉強しろと言われた記憶はありませんが、勉強はできました。

中学高校は、名門、灘に進みました。

しかし、テニスに明け暮れました。

県大会ベスト4になりましが、大学は落ちました。

一浪の末、京都大学医学部へ進学しました。

卒業後、放射線科医として11年間臨床を務めました。

その間、がんに苦しんで亡くなっていく患者を何人も目の当たりにしました。

光免疫療法のカギとなる物質を見つけた瞬間

もともと関心があった基礎研究を学ぶためアメリカに渡ったのは34歳のときでした。

当初、がんを光らせてビジュアル化する研究に取り組んでいました。

ある日、赤い光を吸収する物質を試したときでした。

何故か、がん細胞だけが死んでしまいました。

光免疫療法のカギとなる物質を見つけた瞬間でした。

それは

「ヒラメキによる世紀の発見などではなく、地道な積み重ねの結果だ」

と小林久隆さんは語ります。

光免疫医学研究所

2009年、東京大学の教授への誘いがありました。

光免疫療法の研究を日本で進められると小林久隆さんは乗り気でしたが、その年、日本の政権が代わり、助成金が大幅に削られ、泣く泣く辞退することにしました。

小林久隆さんのもとには日本から多くの研究者が学びにきます。

小林久隆さんの研究には医学、生物学、化学、物理など、様々な分野の研究者が関わります。

小林久隆さんは、ここで学んだ人材が、日本に戻ってからも研究を続けられる拠点があれば、と考えてきました。

今年、光免疫療法専門の研究所

「光免疫医学研究所」

が大阪に完成し、小林久隆さんが所長に就任しました。

小林久隆さんが編み出した治療法が、若い研究者によってその可能性を広げていきます。

新しい治療法には、新しい医療機器の開発も欠かせません。

治療中にがん細胞がどれだけ破壊されているかリアルタイムで観測できるカメラが開発されました。

医師の技量に関係なく、同じ質の治療が行われることを目指しています。

小林久隆の求める未来

2か月前、光免疫療法を受けた男性が通院してきました。

まだ痛みが残っているようですが、経過は良好でした。

がんが完全に消えるのは7人に1人程度だそうです。

小林久隆さんの治療法で患者が回復しても、小林久隆さんは患者から直接お礼を言われることはありません。

がん患者を助けたい、今やっと、その入り口にたどり着きました。

小林久隆さんの視線は、まだ先にあります。

Twitterでの情熱大陸で特集したがん治療研究者の小林久隆への反応

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