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芸能スポーツ関連

北朝鮮の熟年女性アナの謎、なぜ、怒ったように原稿を読むのか?

北朝鮮関係のニュースで目にすることの多い、北朝鮮の朝鮮中央テレビのベテラン女性アナウンサー。

彼女の名は、リ・チュニ。

このリ・チュニ氏は、北朝鮮の重要行事の原稿を独特の抑揚で読み上げることで知られています。

そして、北朝鮮アナウンサーの象徴的存在と言えるアナウンサーです。

今月9日未明の建国73周年の軍事パレードや、その直前のイベントでは、金正恩総書記との親密さが際立ち、圧倒的な存在感を示していました。

 

特別待遇を受けている北朝鮮の朝鮮中央テレビのベテラン女性アナウンサーリ・チュニ氏

北朝鮮の朝鮮中央テレビのベテラン女性アナウンサーであるリ・チュニ氏の放送スタイルは強烈なインパクトがあります。

金総書記の父・金正日氏が

「リ・チュニ氏の声は浸透力が高い」

と評価したことから、重要ニュースを伝える役割を担うようになったようです。

実際、金正日氏や、その父・金日成主席が、それぞれ死去した際、おえつしながら第一報を読み上げたのもリ・チュニ氏でした。

北朝鮮建国73周年の軍事パレードでは、金総書記ら朝鮮労働党指導部のメンバーがひな壇の最前列中央に位置し、後列に内閣や地方の要人、引退した幹部らが立ちました。

その一角に「労働革新者、功労者」の立ち位置が設けられ、リ・チュニ氏をはじめ、金総書記お気に入りの女性歌手キム・オクチュ氏などが招待されました。

軍事パレードが終わり、夜会に移ると、リ・チュニ氏は、最前列中央に引っ張り出されました。

金総書記と、その最側近である趙甬元書記の間に割って入り、金総書記の肩に手を当てたり、耳打ちしたりしながら談笑していたのが印象的でした。

その前日に金総書記が「労働革新者、功労者」と党本部庁舎前で記念写真を撮影した際にも、リ・チュニ氏は金総書記の隣に立って腕を組むという特別待遇を受けていたのです。

軍事パレードや関連行事の様子は、朝鮮中央テレビが、当日午後6時すぎから1時間45分にわたって録画で伝え、この時のナレーションもリ・チュニ氏でした。

このように、北朝鮮の朝鮮中央テレビのベテラン女性アナウンサーであるリ・チュニ氏は、特別待遇を受けているのです。

 

北朝鮮の朝鮮中央テレビのベテラン女性アナウンサーリ・チュニ氏に最近増えているミス

韓国側の情報によると、北朝鮮の朝鮮中央テレビのベテラン女性アナウンサーリ・チュニ氏は、1943年7月生まれの78歳と言うことです。

北朝鮮江原道の貧しい家庭で生まれたそうです。

実は、平壌演劇映画大学を卒業後、いったんは俳優になったそうです。

しかし、1971年2月に朝鮮中央テレビに入り、同年5月からアナウンサーとして活動を始めたそうです。

本来、北朝鮮アナウンサーは、男性60歳、女性55歳が定年とされているそうです。

しかし、リ・チュニ氏は、その年齢を越えても放送の現場に残り、2018年12月には引退を宣言したものの、特別な存在であるがゆえに第一線での活動を続けていると言うことです。

そんなリ・チュニ氏ですが、このところ原稿を読み間違えることが増えてきているようで、その様子を韓国メディアに報じられたことがあるようです。

金総書記が、2018年5月、中国遼寧省大連に飛んで習近平国家主席と会談した際、朝鮮中央テレビはこれを速報で伝えました。

ところが、原稿を手にしたリ・チュニ氏は、珍しく読みながら止まったり、

「朝中最高位級の相互訪問の偉大な伝統を大切に考え」

という文章を繰り返したりと言うミスをしました。

朝鮮中央テレビが、慣れない「速報」に対応しようとしたため、リ・チュニ氏の負担になったのでは、という同情論も韓国メディアでは、語られていたようです。

実は、このリ・チュニ氏、海外メディアの取材に応じたことがありました。

それは、2013年7月27日の朝鮮戦争休戦60年に合わせて訪朝した台湾の大手テレビ局、民間全民電視公司のクルーの取材で、普段着のリ・チュニ氏を見つけたクルーがマイクを向けたのです。

民間全民電視公司の記者が

「台湾ではあなたの知名度はとても高い」

と伝えると、リ・チュニ氏は

「そうですか」

と笑顔を見せたあと、逆に

「きょうは満足に取材、撮影なさいましたか」

と問いかけていたそうです。

驚いたのは、この時の話しぶりは、非常に穏やかで、独特の抑揚はなかったということだそうです。

北朝鮮住民は、民視テレビの取材に

「アナウンサーとしてのレベルがとても高く、みんなそれを認めている。彼女の姿が現れると、その場が厳粛な空気に変わる」

と話しているそうです。

 

北朝鮮の朝鮮中央テレビのアナウンサーはなぜ威圧的に怒ったように原稿を読むのか

北朝鮮のニュースが流れ、そのアナウンサーが映し出されると北朝鮮の朝鮮中央テレビのアナウンサーは威圧的に怒ったように原稿を読みあげるのは、周知の事実です。

しかし、北朝鮮の朝鮮中央テレビのアナウンサーはなぜ威圧的に怒ったように原稿を読むののでしょうか?

これは、リ・チュニ氏に限らず、朝鮮中央テレビのアナウンサーの大半が、強い調子で原稿を読み上げます。

「敬愛する金正恩同志におかれては……」

という原稿ならば

「敬愛する」

「金正恩」

にアクセントが置かれ、文末も力を入れて締めています。

実は、こうした話し方は、北朝鮮のアナウンサー教本である放送員話術に定められているのだそうです。

この教本では、放送を

「偉大なる金日成主義を実践する最も鋭利な思想的武器」

と規定しているそうです。

金正日氏の言葉として

「どんな場合でも放送員が言葉で気迫を失ってはいけない」

「放送を通じてわが人民を緊張させるだけでなく、敵たちを威圧するようにしなければならない」

とも、教本には、記されているそうです。

北朝鮮で放送業務に携わり、その後、脱北したチョ・ミヨン氏が、米政府系放送局の自由アジア放送で次のように話しています。

「北朝鮮の報道で最も多く登場するのが『革命的』『戦闘的』のような単語だ。国家が住民の安らかな生活を保障するどころか、朝鮮戦争の停戦から70年近くになる今も、戦闘のように日常を生きよと、季節ごとに、時期ごとに、あらゆる戦闘を生み出している。この戦闘のような日常に緩みが生じないよう、日々の放送で決意に満ちたアナウンサーの声が伝えられ、必死になって人々を精神武装させている」

しかし、そのような目的であるにもかかわらず、こうした放送が繰り返されることに対する住民の失望も強いのだそうです。

「テレビをつけないという反応まで見せるようになった」

と、チョ・ミヨン氏は、指摘しているようです。

 

まとめ

北朝鮮の熟年女性アナウンサーが怒ったように原稿を読むのは、アナウンサーの話術の教本に定められているからだったんですね。

別に、普段から攻撃的な正確なわけではないようです。

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