川西市の中学校で始まった給食ふりかけ持参が市議会と生徒の間で論争になっています。
給食ふりかけ持参は食べ残しを減らす効果がある一方で、食育や栄養バランスに悪影響を及ぼす可能性もあります。
給食ふりかけ持参の問題点や解決策について、専門家の意見や事例をもとに考察していきます。
給食ふりかけ持参の背景と現状
給食ふりかけ持参の背景には、生徒からの要望があります。
2023年4月に川西市長と中学生との意見交換会で、生徒から給食の食べ残しを防ぐために「ふりかけ持参を認めてほしい」との要望がありました。
生徒は白米が味気なくて食べにくいと感じていたようです。
教育委員会は同年9月から条件付きでこれを認めました。
具体的には各家庭から1人1袋、友達などへ渡さないことだそうです。
その後、教育委員会が実施したアンケートによると、ふりかけを
- 「ほぼ毎日持ってきている」と答えた割合は7.4%
- 「ときどき・何度か」が割合は16.1%
- 「持ってきたことはない」割合は77%
で現状は、「持ってきたことはない」が多数を占めています。
ふりかけ持参をしている生徒は全体の4分の1程度ということになります。
給食ふりかけ持参の問題点
給食ふりかけ持参には、市議会や専門家から反対の声があがっています。
主な問題点は次のとおりです。
- 食育の観点から、出された料理の味を変えるのは失礼で下品だという意見があります。給食は栄養バランスや衛生管理が徹底されたものであり、調理師や栄養士の努力の結晶です。そのまま残さず食べるのが人としてあるべき姿だという考え方です。
- 栄養バランスの観点から、ふりかけで塩分が増えると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。学校給食法で定められた学校給食摂取基準では、中学校では1食あたりの塩分相当量が3g以下とされています。ふりかけで0.3g増えると、あっという間にバランスが崩れるという指摘です。
- アレルギーの観点から、家庭から違う食べ物を持って入ることが危険だという意見があります。川西市の中学校では、給食センター方式の完全給食を実施していて、調理や配送時も原因物質に触れないよう徹底されたアレルゲン不使用食が特徴です。ふりかけに含まれるアレルゲンが他の生徒に影響を与える可能性があります。
給食ふりかけ持参の解決策やアドバイス
給食ふりかけ持参の問題点を踏まえて、解決策やアドバイスを考えてみました。
次のようなものがあります。
- 生徒の声を聞くことが大切です。給食ふりかけ持参は生徒からの提案であり、食べ残しを減らすという目的があります。生徒は白米がおいしくないと感じているのでしょうか。それとも、白米だけでは飽きてしまうのでしょうか。生徒の意見や感想を定期的に集めて、給食の改善に活かすことが必要です。
- 給食のおいしさや楽しさを高める工夫をすることが大切です。給食は栄養バランスや衛生管理だけでなく、味や見た目も重要です。白米が残らないようにするには、ふりかけ以外にも工夫ができます。例えば、白米に具材や色を加えて炊き込みご飯やおにぎりにする、白米にカレーやシチューなどのソースをかける、白米に季節の野菜や果物を添えるなどです。また、給食のメニューを生徒が考えたり、調理師や栄養士と交流したりすることで、給食に対する興味や関心を高めることができます。
- 給食ふりかけ持参のメリットやデメリットを教育することが大切です。給食ふりかけ持参は食べ残しを減らすというメリットがありますが、食育や栄養バランスやアレルギーに関するデメリットもあります。生徒には、給食ふりかけ持参の影響について正しく理解してもらう必要があります。そのためには、給食の時間や家庭科の授業などで、給食の目的や意義、栄養素の役割や摂取量、アレルギーの原因や対策などを教えることができます。また、生徒には、自分の好きなふりかけを選ぶだけでなく、ふりかけの成分や栄養表示を見て、塩分やアレルゲンの含有量を確認することも教えることができます。
給食ふりかけ持参まとめ
以上が、給食ふりかけ持参の問題点や解決策についての私の考察です。
給食ふりかけ持参は生徒の自主性や創造性を尊重する一方で、食育や栄養バランスやアレルギーに関する教育や工夫も必要です。
給食は生徒の健康や成長に欠かせないものです。
生徒や教育関係者や市民が協力して、給食をよりおいしく、楽しく、安全にすることができればと思います。
Xでの給食ふりかけ持参への反応
■給食「ふりかけ持参」で論争 経緯
ABEMA TIMES
これも何か問題が起これば学校を批判するけどこのまま、何も起こらなければ自由を
主張し、行為を続けるそれが今の風潮でしょう?— 見えないのに、すみません (@Lu0elxepWdMLAuG) February 17, 2024
給食ふりかけ持参で生徒と市議会が対立「食べ残しの問題がふりかけに集約されてしまった」「決め方に危機感を持っている」(ABEMA TIMES)#Yahooニュース
違和感のある論争。
— 常在戦場 (@MaruchanRaku6) February 17, 2024
【給食「ふりかけ持参」で論争 経緯】
→
アレルギーの子が食べたがるから、ちゃうかな?
昔と違って、ガッコのセンセ忙しいみたいやし。
余計な用が増えるからと違う?— 井上敦史 (@testinoue74) February 17, 2024
給食ふりかけ持参問題、結核で入院してた時みんな売店でふりかけを仕入れてたわ。
>RT— さとうしん (@satoshin257) February 9, 2024
実は給食を食べたことがない。親の食育が大切だとかなんとかで、自分の学校だけ給食がなかった。給食センターは学校の近くだったのに。明らかなデータとして、自分の通っていた給食のなかった小中学校は給食のあったまわりの小中学校と比較すると身長、体重が低かった:給食「ふりかけ持参OK」に論争…
— Jun OKUNO (奥野潤) (@junokuno) February 9, 2024