昆虫食の会社破産は、SDGsや食糧危機に対する解決策として注目されていた食用コオロギの養殖・加工を行っていた「クリケットファーム」が、わずか3年で倒産した事例です。
その背景や原因、今後の展望などを考察します。
昆虫食とは
昆虫食とは、昆虫を食用とすることです。
世界では約20億人が昆虫食を行っていて、約2000種類の昆虫が食用とされています。
昆虫食には、次のようなメリットがあります。
- 昆虫はタンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養素が豊富で、健康に良いとされています。
- 昆虫は飼料や水の消費量が少なく、温室効果ガスの排出量も低いため、環境に優しいとされています。
- 昆虫は繁殖力が高く、小さなスペースで大量に養殖できるため、食糧危機の解決に貢献できるとされています。
これらの理由から、昆虫食はSDGs(持続可能な開発目標)の観点で注目されていて、欧米や日本でも昆虫食の市場が拡大しています。
しかし、昆虫食には、次のような課題や障壁もあります。
- 昆虫は食用としての安全性や品質の基準がまだ確立されておらず、法的な規制や監督が不十分です。
- 昆虫は食文化や宗教の影響で、嫌悪感や抵抗感を持つ人が多く、受け入れられにくいです。
- 昆虫は生産コストや流通コストが高く、一般的な食品と比べて価格競争力が低いです。
このように、昆虫食は社会的なニーズと市場的な需要の間にギャップがあると言えます。
このギャップを埋めるためには、
- 昆虫食の安全性や品質の確保
- 消費者の教育や啓発
- 生産技術や流通システムの改善
などが必要です。
昆虫食の会社破産の事例
昆虫食の市場に参入したベンチャー企業の一つが、「クリケットファーム」です。
クリケットファームは、2018年に設立され、長野県茅野市に工場を構えました。
そして、コオロギを養殖しパウダー状に加工して食品に配合することで、昆虫食の普及を目指しました。
クリケットファームの製品は茅野市や岡谷市のふるさと納税の返礼品にも採用され、NHKや民放のテレビ番組でも取り上げられました。
しかし、2024年1月に弁護士から倒産する旨の連絡が入り、親会社を含めた3社での負債総額は2億4290万円にのぼりました。
クリケットファームの倒産の原因として、次のような点が挙げられます。
- 昆虫食に対する消費者の需要が想定よりも低く、売上が伸び悩んだこと。
- コロナ禍での外食やイベントの減少や、オンライン販売の競争激化に対応できなかったこと。
- 投資家からの資金調達が難しくなり、資金繰りが悪化したこと。
- コオロギの飼料や設備のコストが高く、利益率が低かったこと。
クリケットファームの倒産は、昆虫食のビジネスモデルの難しさを示す事例と言えます。
昆虫食は社会的な意義や環境的な価値が高いとしても、消費者のニーズや市場の状況に合わせて、安全性や品質、価格、味などの付加価値を提供しなければ商売にならないという現実を突きつけられました。
また、昆虫食はベンチャー投資のブームが終わり、資金調達が厳しくなったことも影響しました。
昆虫食はイノベーションを志すチャレンジではあるものの、想像以上に需要がなく時期尚早だったのかもしれません。
今後の展望と私の考察
昆虫食の会社破産は、昆虫食の終焉を意味するのでしょうか。
私は、そうではないと考えます。
昆虫食は、まだまだ可能性があると思います。
昆虫食の市場規模は2032年にかけて年平均47%の成長率を記録する見込みであり、欧米やアジアなどの地域で拡大しています。
昆虫食は、食糧危機や気候変動などのグローバルな課題に対する解決策として今後も注目されるでしょう。
しかし、昆虫食の普及には、まだ多くの課題があります。
そのためには、次のような取り組みが必要だと思います。
- 昆虫食の安全性や品質の基準や規制を整備し、消費者の信頼を得ること。
- 昆虫食の栄養や環境への効果を広く伝え、消費者の教育や啓発を行うこと。
- 昆虫食の味や見た目を工夫し、消費者の嗜好や文化に合わせること。
- 昆虫食の生産技術や流通システムを改善し、コストや価格を下げること。
- 昆虫食の産業や研究のネットワークを構築し、情報や技術の共有や協力を促進すること。
昆虫食が人類や地球にとって有益な食の選択肢の一つであると考えます。
昆虫食の会社破産は残念に思いますが、昆虫食の可能性はゼロではないと思います。
昆虫食の会社破産のまとめ
昆虫食の会社破産は、昆虫食のビジネスの難しさを示す事例です。
昆虫食は社会的な意義や環境的な価値が高いとしても、消費者のニーズや市場の状況に合わせて付加価値を提供しなければ、商売にならないという現実を突きつけられました。
しかし、昆虫食は、まだまだ可能性はあると思います。
昆虫食は、食糧危機や気候変動などのグローバルな課題に対する解決策として、今後も注目されるでしょう。
昆虫食の普及には、
- 安全性や品質の確保
- 消費者の教育や啓発
- 味や見た目の工夫
- コストや価格の低減
- 産業や研究のネットワークの構築
などが必要です。
Xでの昆虫食の会社破産への反応
四国初 松山に自販機登場 気軽に挑戦、昆虫食 /愛媛
【昆虫食の会社破産 時代早かった?】
破産は当然のことだと思う。
というのを見たが時代が早いとか以前になぜ昆虫食自体がおかしな話だと思わないのか今まで人が昆虫を食べてこなかったのはそういえことだろ。…— 美しい花 (@memo_14217) February 14, 2024
長野県の食用コオロギの会社が破産
昆虫食の会社破産の真相とは
経済ジャーナリストが分析「SDGsというきれい事だけではビジネスはできない。ベンチャー投資ブームが終わった」
そりゃそうでしょう
意識高い系がドヤるのに付き合う義理なんてありませんし
投資目的の連中が軽薄に騒いでただけです
— 大沢愛 (@ai_oosawa) February 14, 2024
昆虫食の会社破産
以前読んだ渡辺浩弐さんの『7つの明るい未来技術~2030年のゲーム・チェンジャー』でも触れられてた昆虫食
やっぱり個人的にもまだ進んで食べる選択肢には入って来なかったしビジネスとしては難しかったんだろけど、研究・開発は続いてってほしいのう— とらびす (@tra_vis_alex) February 14, 2024
【昆虫食の会社が破産】がトレンドですが、ちょうど1年位前でしたかね!? コオロギ混入パン『超蟀』が話題になっていたのは。因果応報でしょうなあ。元々資金繰りの怪しい企業にSDGsを口実に公金を投入しているのでしょうなあ。
— 左近治 (@sakonosamu) February 14, 2024
【昆虫食の会社破産 時代早かった?】
破産は当然のことだと思う。
というのを見たが時代が早いとか以前になぜ昆虫食自体がおかしな話だと思わないのか今まで人が昆虫を食べてこなかったのはそういえことだろ。 pic.twitter.com/zQnasooPb8— Anita Puniya (@AnitaPuniya) February 14, 2024
食用コオロギの会社破産してしまったのか...。一瞬ブームにはなったけども。並行して昆虫食がメジャーな国に輸出〜とかやってたら違いそうだけども日本産コオロギ高そうで見向きされなさそうだしなぁ
— 丁寧なくらしができない主婦 (@not_teineilife) February 14, 2024
【コオロギ】
昆虫食の会社破産が話題に。
面白いアイデアだと思いますし、将来的にはニーズがありそうなので残念です。進んで食べようとするものではないため、畜産物が庶民に手の届かない状況にならないと、なかなか普及していくのは厳しいのではないかなとも思います。
※資料は大臣官房 pic.twitter.com/2iSK2qlwFk
— 小池理人/エコノミスト (@kmasato_economy) February 14, 2024
昆虫食の会社破産って
時代早かった?とかじゃなくて
見通しが甘かっただけでは…?— 上上下下 (@ueuesitasi) February 14, 2024
昆虫食の会社破産のやつで
そもそも昆虫食べるのがおかしいって
人多いけど昆虫食って日本の伝統なんだけどなぁ
西日本だとセミの幼虫食べたりする所あるし
昆虫食が伝統としてないところは
ヨーロッパとかで昆虫がそもそも少ない地域なんですよねぇそれなのにおかしいって
おかしくね?— めるさる (@ehyeh0) February 14, 2024
昆虫食の会社破産
以前から口にしていますが、昆虫をエビに例えるのが昆虫食を勧める際のスタンダードな例えになります。ですが、勧める人々は何故か脚付きや羽付きを食べさせようとする、オススメしようとする。正直に言いますけど、常識無さすぎるんですよ。気持ち悪い
— 飯田クマ(* ̄(エ) ̄*)ノシ (@himeyamiaka) February 14, 2024
給食にコ○ロギだした学校は早計だったな
日本人で、しかも未来ある若者で実験してんじゃねぇよって。
昆虫食の会社破産は当たり前の結果よ— ライジングu-tarou ■ (@56_usan) February 14, 2024