皆さん、海軍カレーってご存知でしょうか?
このカレーは旧日本海軍で提供されていた料理で、現在でも自衛隊基地近くの飲食店で味わうことができます。
しかし、果たしてその本当の味とは何なのか、私は明治時代の原典に基づいて再現してみることにしました。
この記事では、その過程と結果をお伝えします!
目次
海軍カレーの歴史
発端と背景
海軍カレーは明治時代にさかのぼり、旧日本海軍が食事の改善を図る中で誕生しました。
当時、海軍の兵士たちは栄養不足や不衛生な食事から体調を崩し、特に「脚気」という病に悩まされていました。
この病は、ビタミンB1の欠乏によるもので、症状としては倦怠感や食欲不振などがありました。
明治時代の海軍カレーレシピに挑戦
そこで、イギリス海軍の食事を参考にし、栄養を補うためにカレーを導入しました。
導入者は自ら料理を試行錯誤し、最終的にカレーを導入することに成功しました。
特に、白米の半分を麦に変えた「麦飯」は、ビタミンB1を補うための重要な要素でした。
このカレーは、後に「海軍カレー」として全国に広まり、金曜日の定番メニューとなりました。
海軍カレーのレシピは、海軍の料理本「海軍食堂料理法」に記載され、全国の舞台で共有されることになりました。
海軍カレーの特徴
材料と味のバランス
海軍カレーの特徴は、そのシンプルさと栄養バランスです。
基本的な材料には、牛肉、玉ねぎ、ニンジン、小麦粉、カレー粉、バターが使用されます。
また、麦と白米を混ぜたご飯が添えられ、チャツネ(果物のペースト)も重要なアクセントとなります。
料理のスタイル
当時の海軍カレーは、大量に作られ、短時間で提供されることが求められました。
そのため、素材の味を引き立てるシンプルな調理法が採用されていました。
スープをしっかり取ることが美味しさの秘訣であり、丁寧に煮込むことで旨味を引き出します。
原典に基づくレシピの準備
まず、参考にしたのは二冊の料理本です。
ひとつは海軍の初期のレシピ、もうひとつは10年後に書かれた軍隊向け料理本です。
両方の本を参考にしながら、海軍カレーのオリジナルの味に迫ります。
明治時代の海軍カレーの材料
- 牛肉(500g)
- 玉ねぎ(2個)
- ニンジン(1本)
- 小麦粉(100g)
- バター(50g)
- カレー粉(イギリスのCBブランド)
- 麦(200g)
- 白米(200g)
- チャツネ(りんごを使用)
- 塩、胡椒(適量)
- 水(2リットル)
スープ作りから始める
カレーの基本はスープです。
火出しや化学調味料が使えない当時、しっかりとしたスープを取ることが美味しいカレーのポイントでした。
肉の切れ端を煮込み、アクを取り除いていきます。
じっくりと煮込むことで、旨味が凝縮されたスープが完成します。
スープの作り方
- 鍋に水を入れ、牛肉を加えます。
- 中火で沸騰させ、出てきたアクを丁寧に取り除きます。
- 玉ねぎの皮とニンジンを加えて、さらに1時間煮込みます。
- アクが出なくなったら、火を弱めてさらに1時間煮込みます。
- スープができたら、こして出汁を取ります。
カレールーを作る
次に、カレールーを作ります。
- 鉄フライパンで小麦粉とバターを炒め、カレー粉を加えます。
- この時、色がつくまでしっかりと炒めることが重要です。
- 最後に、先ほど作ったスープで伸ばしていきます。
カレールーの作り方
- 鉄フライパンを中火にかけ、バターを溶かします。
- 小麦粉を加え、薄い茶色になるまで炒めます。
- カレー粉を加え、さらに炒めて香りを引き出します。
- スープを少しずつ加えながら、ダマにならないように混ぜます。
- とろみが出るまで煮込み、火を止めます。
チャツネの準備
カレーには必須のチャツネも作ります。
りんごを鍋で煮て、生姜やレモン汁、砂糖を加えてペースト状にします。
これがカレーに深い味わいを加えてくれるのです。
チャツネの作り方
- りんごを皮をむき、細かく切ります。
- 鍋にりんごを入れ、中火で炒めます。
- すりおろした生姜、レモン汁、砂糖を加え、混ぜながら煮詰めます。
- ペースト状になったら、火を止めて冷まします。
米の炊き方
海軍カレーの特徴的な点は、スープで炊いたご飯です。
これにより、米に旨味がしっかりと染み込みます。
米の炊き方
- 麦と白米を混ぜ、洗います。
- スープを加え、1時間浸水させます。
- 鍋に移し、中火で炊きます。
- 沸騰したら弱火にし、20分蒸らします。
いざ、試食!
すべての準備が整ったら、いよいよ試食です。
香り豊かな海軍カレーに、手作りのチャツネを加えていただきます。
これが、本当に美味しい!
酸味と甘味が絶妙に絡み合い、まさに別次元の味わいです。
感想
口に入れた瞬間、豊かな旨味が広がります。
スープで炊いたご飯は、しっとりとした食感で、カレーとの相性も抜群です。
チャツネを加えることで、まろやかさと酸味が加わり、全体の味が引き締まります。
海軍カレーのアレンジ
海軍カレーは基本のレシピに忠実に作るのが魅力ですが、アレンジも楽しむことができます。
例えば、野菜を追加したり、スパイスを変えたりすることで、自分好みのカレーを作ることができます。
おすすめのアレンジ
野菜の追加
じゃがいもやピーマンを加えると、栄養価がアップします。
辛さの調整
お好みで唐辛子を加えることで、スパイシーな味わいに。
フルーツの追加
バナナやパイナップルを加えると、甘さが増して新しい風味が楽しめます。
海軍カレーを作る際のポイント
丁寧にアクを取る
スープ作りの際にアクをしっかり取ることで、クリアな味わいになります。
スープの煮込み時間
スープはじっくりと煮込むことで、旨味が凝縮されます。
時間に余裕を持って取り組みましょう。
チャツネは必須
チャツネを加えることで、酸味と甘味が加わり、全体のバランスが良くなります。
食材の選定
新鮮な食材を使うことで、より美味しいカレーが出来上がります。
特に肉や野菜は、質の良いものを選びましょう。
まとめ
明治時代の海軍カレーを再現してみた結果、驚くほど美味しい料理が出来上がりました。
この一皿は、ただの料理を超え、歴史や文化を感じさせる深い味わいを持っています。
海軍カレーの魅力は、シンプルさと栄養バランスの良さにありますが、何よりもその背景にあるストーリーが私たちを惹きつけます。
食文化の重要性
海軍カレーのような歴史的な料理を作ることは、単に食べること以上の意味を持ちます。
それは、私たちの食文化を理解し、過去の人々の生活や考え方を知る手段でもあります。
料理を通じて、歴史を感じ、食材や調理法に込められた知恵を学ぶことができるのです。
友人や家族との共有
自分で作った海軍カレーを、家族や友人と一緒に楽しむことも大切です。
料理は人と人をつなぐものですから、歴史的な背景を話しながら食べることで、より一層味わい深い食事になることでしょう。
また、皆で料理を作る過程も楽しむことができます。
特に、チャツネやカレーの調理過程は、協力しながら行うと楽しい時間を提供してくれます。
最後に
明治時代の海軍カレーは、ただ美味しいだけでなく、私たちの食文化や歴史を深く理解するための重要な一皿です。
このカレーを通じて、栄養の大切さや、当時の人々の知恵を感じることができます。
ぜひあなたも、時間をかけてこの海軍カレーを再現してみてください。
そして、その美味しさを堪能しながら、歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。