ボスニアの首都サラエボから約30キロメートル離れた場所に、世界最古とされるピラミッドが存在するという主張があります。
このピラミッドは、ボスニアの丘陵を人工的に整形したもので、高さは約220メートル、一辺の長さは約360メートルにも及ぶそうです。
このピラミッドの発見者であるボスニアの考古学者セミル・オスマニッチ氏は、このピラミッドは約34000年前に作られたと主張していて、その証拠として、ピラミッドの内部から出土した石器や炭化物の年代測定結果を挙げています。
しかし、この主張は科学界からはほとんど支持されておらず、疑似科学やナショナリズムの産物と見なされています。
では、ボスニアのピラミッドは本当に存在するのでしょうか？
その真相に迫ってみましょう。
目次
ボスニアのピラミッド 本物か偽物か？超古代文明の謎に挑む
ボスニアの首都サラエヴォの北西にあるヴィソコという町には、自然丘陵と思われていた山々が実は古代に作られたピラミッドだという説があります。
この説を提唱したのはボスニア出身の実業家セミール・オスマナジッチ氏で、彼はこのピラミッドが12000年以上前に作られたもので、エジプトや南米のピラミッドよりも古く、大きく、高度な技術で作られたと主張しています。
彼は自費で発掘調査を行い、ピラミッドの表面にコンクリートブロックがあることや内部にトンネルがあることを発見したとしています。
しかし、この説は多くの専門家から疑似科学や捏造と批判されていて、真偽は不明です。
ボスニアのピラミッド 宇宙人の手がかりか？34000年前の化石が物語る驚きの事実
オスマナジッチ氏は、ボスニアのピラミッドが宇宙人によって作られたという仮説も展開しています。
彼は、ピラミッド内のトンネルで見つかった化石の年代測定が34000年前という結果に基づき、当時の人類にはピラミッドを建造する能力はなかったと考えています。
また、彼はピラミッドの頂上から光のビームが発せられるとか、地球のエネルギーと宇宙のエネルギーが交流するとか、様々な超常現象を主張しています。
しかし、これらの主張には科学的な根拠や証拠がなく、信憑性に欠けると言われています。
ボスニアのピラミッド 世界最古の建造物なのか？学者たちが否定する理由とは
ボスニアのピラミッドが本物だとすれば、世界最古の建造物となる可能性があります。
しかし、その可能性は極めて低いと考えられています。
なぜなら、オスマナジッチ氏がピラミッドが作られたと主張する時代には、ボスニアには農耕や金属加工などの文明が発達しておらず、大規模な建築を行う技術や組織もなかったからです。
また、ピラミッドのように見える地形は、自然に形成された礫岩層の一部であり、人工的に加工されたものではないという説明もあります。
さらに、オスマナジッチ氏の発掘は、本物の考古学的遺跡を破壊する危険性があると指摘されています。
ボスニアのピラミッド 地球のエネルギー源か？34000年前の遺跡から発見された不思議な現象
オスマナジッチ氏は、ボスニアのピラミッドが地球のエネルギー源となっているという仮説も提唱しています。
彼は、ピラミッドの内部には水晶や磁石などのエネルギーを発する物質が埋め込まれていて、それらが共鳴して強力なエネルギーを放出していると主張しています。
また、彼はピラミッドの周辺には癒しや浄化の効果があるとか、植物や動物の成長が促進されるとか、さまざまな不思議な現象を報告しています。
しかし、これらの現象については客観的な測定や分析が行われておらず、信頼できるデータがないと言われています。
ボスニアのピラミッド 人工の丘陵なのか？34000年前の遺跡に隠された真実とは
ボスニアのピラミッドは、人工の丘陵なのか、それとも自然の山なのか。
この問いに対する答えは、まだ見つかっていません。
オスマナジッチ氏は、ピラミッドの表面や内部に人工的な痕跡を発見したとしていますが、それらは彼の主観的な解釈に基づくものであり、科学的な裏付けがないという批判があります。
一方、専門家たちは、ピラミッドの形や構造は自然に説明できるものであり、人工的な加工は見られないという見解を示しています。
しかし、彼らもオスマナジッチ氏の発掘によって、本来調査すべき遺跡が失われてしまったという事実に直面しています。
ボスニアのピラミッドに隠された真実は、もう二度と明らかにならないかもしれません。
Xでのボスニアのピラミッドへの反応
ボスニアのピラミッドは世界最古のピラミッドの可能性があります。もちろん一般的な考古学者はそれを否定しますが、否定の証拠は未だに提示されていません。バカげているだけでは証拠にならないのです。
— nanasawa (@nanasawa03) June 22, 2021
ヒスチャン乗っ取ってたエイリアン論者、ボスニアの丘陵をこれぞ古代ピラミッドと言って掘り返したりして実際の考古学的遺物に損害出したらしいが、その地域の人間は古代の超先進文明の子孫という主張に感銘を受けたボスニアナショナリスト政治家達が支援してたとかいう話見かけて草
— Duke of Myroom (@Duke_of_Myroom) July 20, 2020