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地球科学の最前線・天変地異の秘密に迫るをまとめてみた

今日の地球科学の最前線・天変地異の秘密に迫るをまとめてみました。

地球が誕生して46億年です。

数々と起きている天変地異の秘密に迫りました。

台風は地震の引き金になり、火山の噴火が海流を変えるとされるなど新たな研究が進んでいて、自然現象が互いに影響し合うことが見えてきています。

発見!自然現象の連鎖 地中海×火山噴火

地球物理学者のダニエル・ガルシア・カステリャノス博士は、約600万年前の地中海で発生した現象を調査しました。

ジブラルタル海峡は地中海と大西洋を結ぶ場所であり、ヨーロッパとアフリカを隔てています。

また、2つのプレートがぶつかり合っていて、少しずつ近づいています。

アフリカ側とヨーロッパ側の地質構造は同じで、同じ過程で形成されています。

かつてプレート活動によって海底が隆起すると地中海は大西洋から分断され、乾燥した気候により海水の大部分が蒸発しました。

塩が溶け込んだ水は、深い谷などに集まりました。

蒸発が進むと、結晶化した塩が現れ大地となりました。

地中海から水が蒸発し、海水のもたらす圧力が少なくなったことが、その後の火山活動を引き起こしたと博士は考えています。

干上がった地中海が今の姿に戻ったのは約30万年後で、地震などにより閉ざされていた海峡に裂け目ができ水が流れ込んだためです。

これにより大西洋から海洋生物がやってきて活動を始めました。

こうした地球の営みを解き明かす試みは、災害研究の分野でも始まっています。

発見!資源現象の連鎖 地震×台風

地震が数多く発生してきた台湾では、地震と台風の関連性についての研究が進んでいます。

今、気候変動による台風の大型化が懸念されています。

気圧の変化や大量の雨をもたらす台風が、地震の引き金になる可能性があるそうです。

台湾大学の研究チームは、軍の協力の元、10年かけて台風のデータを観測しました。

温度・湿度・風速・風向など膨大なデータが集まりました。

こうしたビッグデータを、計算速度が飛躍的にあがったスーパーコンピューターで解析しました。

地形学の専門家フィリップ・ステア博士

地形学の専門家フィリップ・ステア博士は、台湾のデータから台風と地震の関連性に着目しています。

フィリップ・ステア博士が注目したのは、地下200mに設置した計測器で記録した地殻の変化です。

台風が通過した時の地殻を測定した結果、髪の毛の直径の100万分の1未満と言う僅かなひずみを感知しました。

フィリップ・ステア博士は、

「台風が通過する時、表面が上に引き上げられる力が発生し、わずか数ミリだが地面が持ち上げられる。降り注いだ雨は地中や川に溜まり、蓄積された水の重さが地殻にのしかかる。この一連の伸び縮みが地殻を刺激することで、地震を引き起こす可能性がある」

と語りました。

台風が地震に影響を及ぼすとする新たな説は、世界各地で台風やハリケーンが勢いを増す中、将来に役立つと期待されています。

発見!資源現象の連鎖 火山噴火×海流

ネイチャーに発表されて注目されたのは、火山の噴火と海流の関わりです。

1991年、フィリピン・ルソン島のピナツボ火山が噴火しました。

20世紀最大規模の噴火で、巻き上げられた大量の火山灰は成層圏に達しました。

微粒子が太陽光を遮り、風にのって世界中に広がり、3年にわたって漂い続けました。

それにより地球の平均気温が0.4度下がったことが分かっています。

フランスの海洋物理学者ディディエ・スィンゲドゥ博士

フランスの海洋物理学者ディディエ・スィンゲドゥ博士は、海流を研究しています。

博士が注目したのは、大西洋を北上して北極圏まで届くメキシコ湾流です。

ディディエ・スィンゲドゥ博士は、

「この海流が噴火によって変化した」

と話します。

北極圏で冷やされた水が海底に沈む動きが原動力の一つとなり海流が生まれ、熱帯域で温められた海水が北へ向かいます。

ところが、この海流の循環がピナツボ火山によって変化したのだそうです。

ピナツボ火山の噴火で気温が下がったことで、北極圏で冷たい水が増え、沈み込む勢いが増して海流のスピードが早くなりました。

この状態が20年以上続いたとディディエ・スィンゲドゥ博士は考えています。

海流の循環が早くなり、赤道付近の温かい空気も通常より多く運ばれた可能性があります。

火山噴火と海流が絡み合っているとディディエ・スィンゲドゥ博士は指摘します。

ディディエ・スィンゲドゥ博士は今後、海流の変化と各地で続く異常気象の関係について、さらなる研究を続けていきます。

氷を解かす脅威 大気の川×南極

大気の川は90年代に人工衛星の観測データを解析することで、大気中の水蒸気の流れを追うことが出来るようになり発見されました。

大気の川は、数千kmと言う長い距離を移動するものあります。

アマゾン川の水量20倍の水蒸気を運んでいます。

アメリカ西海岸の洪水は、殆どが太平洋から上陸する大気の川に因ります。

温暖化が進むと大気の川の水蒸気量が増え、各地に大雨被害をもたらすと考えられています。

思わぬ影響を受けているのは南極大陸で南極の氷は急速に失われ、全部が溶けると海面は50m以上上昇するそうです。

南極大陸で3ヶ月に渡る大気現象調査を12年で10回行ってきたファヴィエさんは異常な大雨に遭遇、ペンギンの雛が心配になったそうです。

雛は羽が生え揃っておらず、濡れたままでは体温が保てなくて約2万羽が凍死しました。

大気の川が温かい空気と湿気を運んできたため豪雨となりました。

大気の川は南極西側に度々流れ込み、氷を溶かしていることを突き止めました。

氷を解かす脅威 南極×火山噴火

南極の氷を解かす脅威はもう一つは火山で、アイスランドで研究が進められ、ミネソタ大学の科学者は、

「アイスランドの氷河が南極大陸に似ている。以前は氷の下にあるカトラ火山を調べこれからの南極につなげる」

と話します。

氷山の黒い縞は、火山灰の層で噴火があったことを示します。

氷の下の地面には、その重さで圧力がかかりマグマの上昇を防いでいますが、氷が溶けると圧力が弱まりマグマが上昇し火口を温め、氷が水となり溶けて噴火に至ります。

火山周辺には、黒い大地が広がります、

噴火の跡です。

噴火したばかりの地で溶岩を研究し、南極にある火山の規模を特定しようと考えています。

南極の地表

南極は厚さ2kmの氷で覆われ、地表の様子は不明です。

レーダーで氷の下の溶岩流の痕跡を発見、火山の存在が明らかになりました。

南極大陸の西側には、火山群約3000kmが埋もれていました。

氷の下には約100個以上の火山が隠れていて、高さは100~1500mでアイスランドとほぼ同等です。

火山が噴火すれば多くの都市が沈みます。

科学者達の研究は続きます。

生存の鍵は適応 生物×過酷な自然環境

地殻変動により姿を変え続けた地球では、これまでに5度の大量絶滅がありました。

最後に起きたのは約6600万年前で、小惑星の衝突により恐竜が姿を消しました。

その後台頭したのが哺乳類でした。

ベルギーのアントワープ大学の研究者は、自然の変化に合わせて生き延びた生物を調査しました。

タークス・カイコス諸島では、ハリケーンによる被害が頻発しました。

ハリケーンを生き延びたトカゲ

ハリケーンを生き延びたトカゲには、特殊な適応がありました。

通常のトカゲには指の下に特殊な構造が有り、葉などに掴まることができますが、生き延びたトカゲはその部分が大きかったのです。

また、前足は長い代わりに後ろ足は短かったのです。

風を送って実験すると、前足で枝に掴まり、後ろ足は枝から離しました。

後ろ足は長いほどかかる風力が強いため、短く適応することで強風にも耐えられたとみられます。

フランス・パヴァン湖

フランス・パヴァン湖では、地球に生命が誕生した頃に似た自然環境があります。

クレルモン・オーベルニュ大学で湖に生息する微生物を研究しているルアワーズによると、パヴァン湖の深さは92mで、上の層と下の層で水質が異なります。

普通、湖の中では水が循環して酸素が運ばれていますが、この湖では水の循環が水深60mまでで、湖の底の水に含まれる成分の影響と見られます。

下の層に酸素は含まれておらず、生物が生きるには過酷な環境ですが、たくさんの微生物が生息していました。

これらの微生物は、地球に最初に誕生した生命に似ているそうです。

生命の誕生

地球に生命が誕生したのは40億年前です。

大陸はごく一部で、大気中にも海中にも酸素はありませんでした。

生命は水や大気があることなどの条件をクリアした上で、元素が組み合わさるなどの過程を経て初めて誕生します。

こうした生命の誕生には、二酸化炭素などの成分を排出する火山が役割を果たしたとルアワーズは考えています。

350万年前の噴火によってできた空洞

湖のそばには350万年前の噴火によってできた空洞があり、中には湖があります。

空洞内は光が一切無く、温度は5℃、水温は2℃以下と生命の発達に必要な栄養素が少ないそうです。

この環境下でも生物は存在していて、天井から明かりが入り込む時間だけ集まり光を浴びていました。

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