2019年4月に起きた池袋暴走事故。
この事故の被告で飯塚幸三被告に禁錮5年の判決を言い渡されました。
実は、2日に東京地裁で開かれた判決公判で禁錮5年の判決を言い渡され飯塚幸三被告は、過去に勲章を受章した経歴がありました。
そのせいもあって、ネット上などでは上級国民と言われることが多かったのですが、この勲章がはく奪される可能性が大きくなりました。
目次
禁固3年以上の実刑確定ではく奪される勲章
飯塚幸三被告は、2015年に瑞宝重光章という勲章を受章しているようです。
この勲章の受賞が飯塚幸三被告が上級国民と呼ばれる一因となっています。
明治時代に制定された、勲章褫奪(ちだつ)令という勅令があるのですが、この勅令には、禁錮3年以上の実刑が確定した場合は、勲章がはく奪されるとなっているのです。
と言うことは、飯塚幸三被告が、もし控訴せずに禁錮5年の判決が確定すれば、瑞宝重光章を失うことになるわけです。
一貫して無罪を主張してきた飯塚幸三被告
これまでの公判において、飯塚幸三被告は、一貫して無罪を主張し、車の不具合を事故原因として訴えてきました。
しかし、判決では
「車に異常は認められず、故障をうかがわせる事情も一切認められない」
と退けたわけです。
そして、飯塚幸三被告が、約10秒間にわたってブレーキと間違えてアクセルを踏み続け、最大時速約96㎞まで加速させた過失が原因と裁判所は認定しました。
求刑は、禁錮7年でしたが、
「過失は悪質だが、酒気帯び運転などの運転行為に伴うものではない」
とし、禁錮5年が相当とし判決を言い渡したわけです。
下津健司裁判長は、判決を読み上げた後、飯塚幸三被告に
「判決に納得するなら、責任と過失を認め、遺族に真摯に謝っていただきたい」
と述べたのですが、それに対して飯塚幸三被告は頷いていたそうです。
その段階では、判決を受け入れたと受け取れます。
もし、そうであれば、判決は確定する可能性が高くなり、勲章もはく奪されることになるわけです。
被害者の遺族である松永拓也さんの心情
この公判後、事故で最愛の妻である真菜さんと最愛の娘である莉子ちゃんを亡くした松永拓也さんは、記者会見を行いました。
記者会見で松永拓也さんは、
「判決の瞬間、涙が出てきた。これで命が戻ってくるならどんなにいいかと虚しさもあった。でも、判決は前を向いて生きていくきっかけにはなる」
と語りました。
松永拓也さんは、ブログを通して、飯塚幸三被告に対してメッセージを送っていました。
「一審の判決が出たら、もう辞めにしませんか」
と。
改めてこの日、松永拓也さんは、
「加害者が無罪主張をしたり、控訴したりすることは権利ですので尊重していることが大前提です」
としながらも、
「人と争っている私は2人が愛してくれた私ではない。あとは被告人が決めることだが、控訴してほしくない」
と話していました。
注目されていた飯塚幸三被告の控訴と勲章のはく奪
今回の裁判の判決後の動きとして、すべての人が注目していたのが、飯塚幸三被告が控訴するかどうかということでした。
そして、勲章のはく奪についてです。
勲章がはく奪されるかどうか。
そこにも、たくさんの人が注目していました。
飯塚幸三被告が控訴したとしたら
もし、飯塚幸三被告が控訴して、最終的に最高裁まで引っ張ると言うことになったら、裁判が長引くことになります。
ある法曹関係者が言うには、
「仮に控訴審となっても1回で結審するのではないか。最高裁まで行くにしても、来年中には終わるでしょう」
と言うことです。指摘する。
ネットでは
「控訴した場合、刑の確定まで長引くのではないか」
と心配する声もあるが、実際は刑が確定するまでそれほど時間がかかるわけではないようです。
そして、たとえ控訴したとしても、判決の内容もさほど変わらないのではと言われています。
飯塚幸三被告が控訴したと場合に対する被害者遺族弁護士の見解
被害者遺族の弁護士の見解では、
「控訴となっても判決はおそらくひっくり返らないのではないか」
となっています。
まとめ
先ほどの法曹関係者の話だと、
「たとえ飯塚被告が最初から罪を認めて謝罪していたとしても、執行猶予がつかない実刑だったと思われます。2人が亡くなっているということもありますが、最近は踏み間違いは執行猶予がつかない傾向にあります。どうやっても実刑だったでしょう」
と言うことです。
このままいけば、来年中には、飯塚幸三被告の勲章は、はく奪となりそうですね。