家族の介護や世話を日常的に担う「ヤングケアラー」は、中学生の18人に1人、高校生の24人に1人に上るという調査結果が出ています。
しかし、彼らは悩みや不安を誰にも打ち明けられず、孤立していることが多いのです。
こども家庭庁は、ヤングケアラーの支援拡充に乗り出し、相談や交流事業に取り組む自治体への補助を加算することを発表しました。
ヤングケアラーの現状と支援策について詳しく解説します。
目次
ヤングケアラーとは
ヤングケアラーとは、家族の介護や世話を日常的に担う子どもや若者のことを指します。
ヤングケアラーは、自分の時間や学業、進路、友人関係などに影響を受けることがあります。
また、自分の状況を理解してくれる人が少なく、悩みや不安を誰にも打ち明けられないことが多いです。
ヤングケアラーの数は、正確には分かっていません。
しかし、厚生労働省の2020年度の調査では、介護を担う中学2年は18人に1人(5.7%)、高校2年(全日制)は24人に1人(4.1%)いたという結果が出ています。
これは、全国で約10万人のヤングケアラーがいるということを意味します。
ヤングケアラーの課題とニーズ
ヤングケアラーは、家族の介護や世話をすることで、さまざまな課題に直面しています。
例えば、次のようなものが挙げられます。
- 学業や進路に影響が出る
- 自分の時間や趣味がなくなる
- 友人関係や社会性が希薄になる
- 精神的なストレスや疲労が溜まる
- 身体的な負担や怪我が増える
- 経済的な困窮や将来の不安がある
ヤングケアラーは、これらの課題を解決するために、さまざまなニーズを持っています。
例えば、次のようなものが挙げられます。
- 家族の介護や世話を分担できる人やサービスが欲しい
- 学校や職場での配慮や理解が欲しい
- 進学や就職の相談や支援が欲しい
- 自分の気持ちや悩みを話せる人や場が欲しい
- 他のヤングケアラーと交流したい
- 自分の時間や趣味を楽しめる機会が欲しい
ヤングケアラーの支援策と今後の展望
ヤングケアラーの現状とニーズに応えるために、政府や自治体、民間団体などがさまざまな支援策を実施しています。
例えば、次のようなものが挙げられます。
- 政府は、ヤングケアラーを支援の対象として明記した子ども・若者育成支援推進法の改正案を今国会に提出しています。また、ヤングケアラー経験者や当事者が支え合える体制を作った自治体への補助を行っています。
- こども家庭庁は、2024年度から、ヤングケアラーの支援拡充に乗り出し、相談や交流事業に取り組む自治体への補助を加算することを発表しました。具体的には、進学・就職と介護の両立などに関し、経験者らによる相談体制を作る場合や、当事者間の交流会を開催する場合の運営費として、補助基準額に上乗せするというものです。
- 富山県は、ヤングケアラーに関する県内の実態調査を行い、世話する家族がいると回答したのは、中学生の18人に1人、高校生の24人に1人であるという結果を発表しました。また、ヤングケアラーの声を聞くためのアンケートやインタビューを実施し、支援策の検討に活用するとしています。
- 民間団体では、ヤングケアラーの相談や支援を行う団体や、ヤングケアラーの交流やキャンプを行う団体などがあります。また、ヤングケアラーの実態や課題を広く知ってもらうための啓発活動や、ヤングケアラーの声を政策に反映させるための提言活動なども行われています。
ヤングケアラーは、家族の介護や世話をすることで、多くの困難や苦労に直面しています。
しかし、彼らは家族を愛し、自分の役割を誇りに思っています。
ヤングケアラーが自分らしく生きるためには、社会全体で彼らを理解し、支える必要があります。
ヤングケアラーの現状と支援策について、ぜひ知っていただきたいと思います。
ヤングケアラーの声を聞く
ヤングケアラーの現状と支援策について、彼ら自身の声を聞いてみましょう。
次にあげるのは、ヤングケアラーの体験談や感想です。
介護をすることで得たもの
- 家族の介護をすることで、人の気持ちや苦労を理解できるようになりました。自分のことだけでなく、他人のことも考えられるようになったと思います(高校生・男性)
- 家族の介護をすることで、自分の役割や責任感が強くなりました。家族を支えることができるのは、自分だけだと思っています。家族のために頑張れるのは、幸せなことだと思います(中学生・女性)
- 家族の介護をすることで、医療や介護に興味を持ちました。将来は、看護師や介護士になりたいと思っています。家族だけでなく、社会にも貢献できる仕事がしたいです(高校生・男性)
介護をすることで困ったこと
- 家族の介護をすることで、学校や部活に参加できないことがあります。友達と遊んだり、勉強したりする時間が少なくなりました。学校の先生や友達にも理解してもらえないことが多いです(中学生・男性)
- 家族の介護をすることで、自分の時間や趣味がなくなりました。好きな音楽を聴いたり、本を読んだりすることができません。自分のことを後回しにしなければならないことが辛いです(高校生・女性)
- 家族の介護をすることで、経済的な負担が増えました。家族の医療費や介護用品などの出費が多くなりました。自分のお小遣いや将来のために貯金することができません。お金のことで心配です(高校生・男性)
介護をすることで欲しいこと
- 家族の介護をすることで、誰かに相談したり、助けてもらいたいことがあります。でも、誰に話せばいいのか分かりません。自分の気持ちや悩みを理解してくれる人が欲しいです(中学生・女性)
- 家族の介護をすることで、他のヤングケアラーと交流したいと思います。同じような境遇の人と話すことで、気持ちが楽になると思います。ヤングケアラーの交流会やキャンプなどがあれば、参加したいです(高校生・男性)
- 家族の介護をすることで、自分の時間や趣味を楽しめる機会が欲しいです。家族の介護以外のことにも興味があります。音楽や本などの文化活動や、スポーツや旅行などのレジャー活動に参加したいです(高校生・女性)
Xでのヤングケアラーへの反応
中2の18人に1人がヤングケアラー・・・
中2の親世代がそもそも・・・就職氷河期世代以降の世代で、収入も低い傾向にあるし、貧乏暇なしなので、色々と大変だ。— ひまわり🌻❄️🌐 (@SunflowerKansai) February 22, 2024
中2の18人
キャンプがヤングケアラーの解消策ではなくて、相談所の代替が必要なのでキャンプはどうか?って話だろ?
別にキャンプやったらいいじゃん 誰にも相談しない傾向があるんだろ— 4人と4匹 (@SbylDgtTtSoUU2) February 22, 2024
中2の18人に1人がヤングケアラーというけど
地域とかによって全然違うと思うあとは私立中はヤングケアラー0とかはないと思っている
— さっちー@スキンケアとダイエットに奔走するシングルマザー (@ham123abc123) February 22, 2024
元ヤングケアラーからすると、キャンプしてる最中も楽しめない。
これが終わったらまた介護しなきゃとか現実が待ってるとか私だったら思ってた。
それより頼れる大人が欲しかったな。中2の18人に1人「ヤングケアラー」、悩み打ち明けられず…こども家庭庁が支援強化へ : 読売新聞オンライン…
— 医療的ケア児・者専門 メディケア (@MedicareGp) February 22, 2024
中2の18人に1人が家族を介護する「ヤングケアラー」
↓
悩み打ち明けられず孤立
↓
こども家庭庁が支援強化へ何をするのかと思ったら……
「介護から離れキャンプ等の息抜きできるイベントを考えている」
はぁ!?
そもそもヤングケアラーを強いられてる状況が問題でしょう!?
解消しないんかい!?
— 大沢愛 (@ai_oosawa) February 22, 2024
中2の18人に1人はヤングケアラーって状態をほったらかしてた政府は一体何をしてたんだろうね。
うん、私達知ってるよ。税金から裏金作って自分の懐に入れることばかり考えてたんだよね。だから支援が必要なところに税金が投入されないままきたんだ。— にゃあにゃ@クマの皮を被った猫 (@apple1chiffon) February 22, 2024
中2の18人に1人がヤングケアラー…こども家庭庁が支援強化で、ヤングケアラーが介護から離れて子どもらしく過ごせるキャンプなどのイベントを想定…とありますが、これで本当に根本的な解決に繋がると思ってるのでしょうか。こんなキャンプのために、国民が子育て増税の負担を強いられるのでしょうか。
— Childish Teacher (@TeacherChildish) February 22, 2024
中2の18人に1人がヤングケアラーが何よりも怖すぎる
— にいこ (@25rlo) February 22, 2024