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京コトはじめでやってたふだん着の和菓子

京コトはじめで、京の暮らしに寄り添うふだん着の和菓子を特集していました。

暮らしに寄り添うふだん着の和菓子

今回の京コトはじめは、東山区の青蓮院門跡からでした。

重要文化財の濱松図襖は、江戸時代初期の狩野派の絵師によるものとされます。

ゲストは、京都在住でスポーツコメンテーターの奥野史子さんでした。

今回のテーマは

「京の暮らしに寄り添う ふだん着の和菓子」

でした。

京都では、普段使いの和菓子があります。

江戸時代から親しまれる

「志んこ」

というお団子などが登場しました。

ふだん使いのおまんやさん

京都では、お茶席用の特別なお菓子は上菓子と呼ばれ、普段口にするまんじゅうなどはおまんやさんで求めます。

客の大半が買い求める豆とあんこがたっぷりはいった餅菓子があります。

店の奥では、職人が名物の餅菓子を1日平均3000個作っています。

食感のアクセントになるのが赤豌豆です。

生地に赤豌豆を混ぜるのですが、つきたての餅にまんべんなく行き渡らせるには職人技が必要です。

創業130年を超える老舗

京都市西京区の創業130年を超える老舗。

古くから京都の人たちの暮らしに寄り添ってきたのが、平らに伸ばした生地にこしあんを包み、きなこをまぶしたシンプルな餅菓子です。

あんを作るときには昔ながらのかまど

「おくどさん」

を用います。

するとしっとりとしたあんになるそうです。

明治30年創業の下京区の店

明治30年創業の下京区の店。

開店準備が始まると、すぐに行列ができます。

お目当てはおはぎです。

すべて手作業で、1日300個が限度です。

特にこしあんづくりでは手間がかかります。

上菓子とおまん

佛教大学教授の八木さんによると、上菓子とおまんは異なるものです。

上菓子は平安時代からあるとされ、貴族や大名などの特別な階級の人達が食べたものです。

市民が日常的に食べたのがおまんと呼ばれ、上菓子を売っているのがお菓子屋さん、おまんを売っているお店がおまんやさんと呼ばれました。

上菓子を売っているお店は基本的にオーダーメイドです。

おまんやさんは季節季節のおまんを扱います。

京都で愛されるあんこ

あんこは、京都で古くから愛されてきました。

あんこは、精進料理にも使われ、甘くないものもありました。

あんこは、あずきから出来ていますが、赤は邪気を払う意味があり、あんこを体に入れることで、悪いものを追い払う狙いがあったと思われます。

江戸時代から親しまれる和菓子 志んこ

京都府東山区にあるおまんやさんの工場からの中継しました。

創業は文政2年です。

200年もの間、京都の人たちに親しまれてきました。

店先ではお赤飯、おはぎなどが販売されていて、中でも人気なのが

「志んこ」

です。

志んこは米の粉を使ったお団子で、製造工程をみせてもらいました。

志んこの材料は、米粉、砂糖、水のみです。

一度蒸したものを手でまんべんなく練っていきます。

成形は専用の機械で行い、せいろで蒸していきます。

和菓子が告げる季節の移ろい

ふだん着の和菓子も季節の移ろいを反映します。

春、古来京の都の人たちが好んだのが桜です。

桜餅はふんわりと桜の香りがします。

桜は東日本では小麦粉の生地であんをもち、あんを餅で包んだのは京都発症とされます。

花見だんごが、京都で食べるようになったのが400年前で、豊臣秀吉が催した花見が最初とされます。

6月30日に行われる夏越の大祓は茅の輪くぐりを行い、無病息災を祈ります。

この時食べるのが水無月で、ういろうの生地を氷室の氷に見立て、小豆を乗せました。

9月、中秋の名月に欠かせないのが月見だんごです。

京都ではあんこを巻き付けた月見だんごがよく見られます。

四季の訪れを告げる

京都は季節ごとに和菓子が多いですが、宮中・御所の年中行事が民間に降りてきて、神社などが行事やお祭りを行う度に、様々な種類が作られるようになったとされます。

京都には水無月、葵祭の申餅など、様々な季節の和菓子があります。

11月の行事と和菓子

上京区 護王神社 亥子祭

上京区の護王神社では、11月1日に亥子祭が行われます。

天皇自らが餅をつき、臣下とともに食して無病息災を祈願したとする平安時代の儀式を再現するものです。

参列者とともに御所に出向き、餅を奉納します。

行列が戻ると亥子餅作りが始まります。

材料は、もち米に花梨の実、落花生、黒砂糖、ごまを加えて作られ、その場で振る舞われます。

上京区 妙音弁財天 お火焚き

上京区にある妙音弁財天では、11月に秋の実りに感謝し、厄除けを祈るお火焚きが行われます。

お火焚きの供え物には、みかん、お火焚きまんじゅう、柚子おこしの3つを揃えます。

お火焚きまんじゅうには火炎宝珠の焼印が押され、この時期のおまんやさんの店先にも並びます。

お火焚きは、火に関わる仕事に従事する人の間でも行われます。

このとき、こんがり焼けたみかんを食べると風邪を引かず、無病息災で過ごせると言われます。

柚子おこし

柚子おこしもこの時期だけ作られる和菓子で、五穀の象徴とされてきました。

中京区にある大正元年創業の和菓子店です。

総祖父の代から柚子おこしを作っています。

おこしは水飴と砂糖を混ぜたものに蒸した米、柚子の皮をからめて作ります。

11月の和菓子には、実りの秋を迎えることが出来た感謝の念が込められています。

亥子餅

亥子餅は平安時代にはあったとされ、源氏物語にもその名が出てきます。

亥子とは旧暦で10月を指します。

亥とは猪のことですが、子供をたくさん生むので子孫繁栄の意味合いもあります。

お火焚き

お火焚きは京都特有の行事で、江戸時代には大きな神社でやる火祭りは新嘗祭とされました。

お火焚きは冬至の時期に行われますが、太陽のエネルギーが最も衰える時期であり、何らかの形でエネルギーを補充する必要があったとされます。

お火焚きに、まんじゅうや柚子おこしを食べるのは、やってくる神へのお供えでした。

また火炎宝珠の焼印は、火除の意味もあるとされます。

京都の人たちからも、ふだん着の和菓子について聞かれると、八木教授は

「先人たちの季節への想いと祈りが込められたもの」

と語りました。

また奥野史子さんは

「何気なく頂いている季節のお菓子に意味があると感じた。お供え物のお下がりを頂いているのが刺さった。」

などと語りました。

Twitterでの京コトはじめへの反応

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