
「警察官」
や
「国際電話」
を悪用した詐欺の被害が、世代を問わず急増しています。
巧妙化する手口は、あなたの不安や焦りにつけ込み、大切な財産を奪い取ろうとします。
「口座が犯罪に使われている」
と不安を煽るニセ警察詐欺と、
「+」
から始まる番号で連絡してくる国際電話詐欺。
これらは異なるようで、私たちを騙そうとする点では共通しています。
この記事では、身近に迫るこれらの詐欺の手口、背景、そして被害を未然に防ぐための具体的な対策を徹底解説します。
「自分は大丈夫」
と思わず、正しい知識を身につけて、あなたと大切な人を守りましょう。
まずはそれぞれの詐欺の特徴と見分け方を押さえることが、最良の防犯対策です。
ニセ警察詐欺とは?その手口を知ろう
ニセ警察詐欺が増加している背景
近年、警察官を名乗った詐欺、いわゆる
「ニセ警察詐欺」
が増加しています。
この詐欺の背景には、高齢者から若年層へとターゲットが広がる中、詐欺師の手口がますます巧妙になっている現状が挙げられます。
詐欺師たちは人々の不安心理を巧みに利用し、経済的な被害をもたらす犯罪を繰り返しています。
警察官を名乗る巧妙な手口

ニセ警察詐欺の特徴は、警察官を名乗る詐欺師が本物そっくりの手口を使い被害者を騙す点です。
電話で
「あなたの銀行口座が犯罪に利用されています」
や
「逮捕状が出ています」
といった恐怖心を煽る言葉を投げかけ、不安を抱えた相手に対して、
「警察署に出頭してください」
や
「テレビ電話で対応します」
という流れで個人情報を引き出そうとします。
また、着信画面に本物そっくりの電話番号を偽装する
「番号スプーフィング」
技術を使用することも多く、巧妙な手口には十分な注意が必要です。
若年層を狙うケースの増加

これまで高齢者を中心に被害が目立っていたニセ警察詐欺ですが、最近では若年層を狙うケースが増加しています。
SNSやビデオ通話を活用した手口を駆使し、若い世代に馴染みの深いツールを使って詐欺を仕掛けることが特徴です。
「警察手帳をビデオ通話で見せます」
などのセリフで安心感を与えた後、金銭を狙うケースも増えているため、若い方々も他人事と思わず注意する必要があります。
よくある電話内容とセリフの例
ニセ警察詐欺では、具体的で信じやすい内容の電話が使われます。
よくあるセリフには次のようなものがあります。
「あなたの銀行口座が犯罪に使用されています」
「携帯電話が不正に契約されています」
「押収した口座があるため、調査に協力してください」
「出頭できない場合は、ビデオ通話で取調べを行います」
こうしたセリフは被害者に焦りや不安を与えることを目的としており、そのような電話を受けた場合は一旦電話を切り、必ず公式の警察に直接確認することが重要です。
被害を防ぐための基本的なポイント

ニセ警察詐欺から身を守るためには、以下の基本ポイントを押さえておくことが大切です。
警察が電話やSNSを通じて金銭を要求することはありません。
「あなたは逮捕される」という不安を煽る発言があれば疑いを持ちましょう。
自宅の固定電話は留守番電話設定にし、非通知や知らない番号からの着信には対応しないようにしましょう。
疑わしい電話を受けた場合は、即座に切断し、公式の警察署などに電話番号を確認して相談してください。
「みんとめ」運動を活用し、家族や地域で詐欺について情報を共有することも効果的です。
日常的な防犯意識を高め、詐欺の被害に巻き込まれないための行動を心がけましょう。
国際電話詐欺とは?注意すべき手法
「+」から始まる電話番号に注意

国際電話詐欺では、通常の国内の電話番号とは異なり、
「+」
から始まる国際電話番号が使用されることが多いです。
これらの電話は
「+1」(アメリカ)
や
「+44」(イギリス)
といった国コードで始まることが一般的ですが、詐欺師は信頼性を持たせるための偽装も行います。
知らない番号からの電話に不用意に出ることや、折り返し電話をすることは避けるようにしましょう。
特に、警告的で緊急性を煽るような内容であれば、落ち着いて対応することが重要です。
国際電話詐欺が広がる理由
国際電話詐欺が広がる背景には、近年の技術の進歩やコミュニケーション手段の多様化が挙げられます。
詐欺師がインターネットや特殊な通信技術を駆使することで、実在の電話番号を偽装したり、被害者に知られにくい海外からの電話をかけることが容易になっています。
また、電話料金が国際的に低廉化しているため、詐欺手法として採算がとれる点も拡大の一因です。
こうした事情から、国際電話詐欺を防ぐための注意喚起がますます重要視されています。
番号スプーフィングの仕組みとは

番号スプーフィングとは、詐欺師が実際とは異なる電話番号を偽装して表示させる手法です。
これにより、警察や公式機関、信頼のおける企業名を盗用し、被害者に信用させた上で詐取を行います。
たとえば、着信画面に
「警視庁」
や
「銀行のコールセンター」
の番号が表示されるケースもありますが、これらがスプーフィングによる偽装であることが少なくありません。
相手が名乗る機関に直接問い合わせを行い、真偽を確かめることが重要です。
家族や知人になりすますやり方
国際電話詐欺の中には、家族や知人の名前を語り、被害者に信じさせる手口も含まれています。
「海外旅行中にトラブルに遭った」
といった理由を伝え、金銭の振り込みを求めるケースが典型的です。
詐欺師はSNSやインターネットから個人情報を収集することがあり、具体的な名前や状況を提示して巧妙に信用を得ようとします。
不審な電話には直接連絡を取るか、別の信頼できる方法で本人確認を行うよう心がけてください。
国際電話を避けるための対策法
国際電話詐欺を防ぐためには、日常的にいくつかの対策を講じることが有効です。
まず、固定電話には迷惑電話防止機能付きの機器を導入し、国際番号や非通知の着信をブロックする設定をしましょう。
さらに、携帯電話の着信拒否サービスや、通話ログ管理アプリを活用することも被害回避につながります。
加えて、自分の電話番号を安易に公開しないことや、不明な電話に対してはまず受け答えを控えるといった基本的な行動を徹底してください。
国際電話の利用を制限する
「国際電話不取扱受付センター」
への申し込みも検討しましょう。
ニセ警察詐欺と国際電話詐欺の見分け方
電話のシナリオに注目する
ニセ警察詐欺と国際電話詐欺の電話には、それぞれ特有のシナリオがあります。
ニセ警察詐欺では、
「あなたの口座が犯罪に使われています」
や
「犯人を特定するために協力が必要です」
など、不安を煽るような内容で始まることが多いです。
一方で、国際電話詐欺では、家族や知人を装い、
「お金がすぐに必要だ」
といった切迫感を強調するケースや、英語などの外国語を使用してくる場合も見られます。
まずは電話内容が不自然に感じられるか、要求が合理的かを冷静に判断することが重要です。
被害者に要求される行動とは?
これらの詐欺の特徴は、被害者に具体的な行動を要求する点です。
ニセ警察詐欺では
「調査のために口座情報を教えてほしい」
や
「現金を今すぐ送金してほしい」
という指示がよく見られます。
一方、国際電話詐欺の場合、
「特定の番号に折り返し電話をする」
「国際送金サービスを利用して送金する」
といった要求が多いです。
このような明らかに急ぎすぎた指示や、個人情報を聞き出そうとする行為には注意が必要です。
冷静な対応を心がけましょう。
疑わしい電話を見分ける質問例

詐欺の電話を疑う際には、適切な質問を投げかけることで真実を見極めることができます。
例えば、
「本当に警察官であれば、所属の警察署と名前を教えてください」
と尋ねてみてください。
その後、自分で調べた正規の警察署の電話番号にかけ直し、確認する手段が有効です。
また、
「どのような事故や事件に関係があり、証拠は何ですか?」
と具体的な説明を求めると、詐欺師は詳細な話を作れず不自然な返答をすることがあります。
国際電話詐欺の場合にも、会話内容をメモした上で、
「直接もう一度連絡します」
と対応し、絶対にその場で情報を提供しないようにしましょう。
警察や国際電話が言いそうなフレーズの違い
ニセ警察詐欺と国際電話詐欺のフレーズには特徴的な違いがあります。
ニセ警察詐欺では
「あなたの銀行口座が犯罪に使われています」
や
「追跡のために口座内の資金を一時的に移動させてください」
といった内容が多く見られます。
これに対して、国際電話詐欺では
「家族が緊急でお金を必要としている」
や
「電話料金が未払いになっている」
など、人間関係やサービス利用に関する内容が主流です。
また、海外のアクセントのある日本語や、英語そのものを使用する場合があります。
不審な電話でこれらのフレーズを聞いたら、詐欺の可能性があると疑いましょう。
被害を未然に防ぐ重要な対策
周囲と詐欺事例を共有する重要性

ニセ警察詐欺や国際電話詐欺を未然に防ぐためには、家族や友人、地域住民と情報を共有することが非常に重要です。
詐欺師が使用する巧妙な手口やよくある電話の内容などを話し、周囲の警戒心を高めることができます。
特に高齢者が狙われやすい傾向があるため、日常的に詐欺の話題を共有し、被害を防ぐ意識を高めましょう。
固定電話へのブロック機能の活用

自宅の固定電話に迷惑電話防止機能を設定することは、詐欺電話対策として有効です。
最近では非通知設定の電話や国際電話からの着信を自動でブロックする機能が搭載された電話機も販売されています。
留守番電話モードを常にオンにして、不審な電話に直接応答しないことも効果的です。
また、迷惑電話について家族と設定を確認し合いましょう。
「みんとめ」運動の概要と参加方法
全国の警察では、特殊詐欺の増加を受けて
「みんなでとめよう!!国際電話詐欺」、
通称
「みんとめ」
運動を実施中です。
この取り組みでは、地域全体で詐欺への注意を促す啓発活動や、情報提供の場を提供しています。
「みんとめ」
に参加するには、地元警察署や住民自治会が開催する防犯セミナーなどに参加し、詐欺事例の共有や最新情報を得ることができます。
家庭や職場でも運動に賛同し、防犯意識を深めましょう。
相談窓口を活用する方法
怪しい電話を受けたり、詐欺の被害に遭った場合には、すぐに警察や消費生活センターに相談することが大切です。
「#9110(警察相談専用電話)」
は、詐欺に関連する緊急連絡先として利用できます。
また、自分だけで対応が難しいと感じた場合も、ためらわずに周囲や相談窓口の専門家に助けを求めましょう。
詐欺を防ぐためには迅速な対応が鍵となります。
怪しい電話を受けた際の対応行動
詐欺師からの電話に応答してしまった場合、落ち着いて以下の対応を心がけてください。
まず、自分の口座番号や個人情報、現金の送金などを要求された場合は、決して応じてはいけません。
電話中の対応として、
「一度折り返します」
と告げて電話を切り、公式な機関の正しい番号に連絡して確認を取りましょう。
相手が警察手帳や逮捕状を示す場合でも、それが偽物である可能性を念頭に置き、信じ込まず慎重に行動することが重要です。
まとめ

ニセ警察詐欺や国際電話詐欺は、日常生活の中で誰もが被害に遭う可能性がある犯罪です。
不安を煽る巧妙な手口や
「警察」
を名乗る信憑性のある詐欺が増加している背景には、多くの人々の心理や状況が悪用されています。
特に
「偽装警察増殖」
という現象が見られ、SNSや国際電話を使った新しい詐欺形態が広がりつつあることは、私たちにとって無視できない問題です。
こうした被害を防ぐためには、詐欺の手口を理解し、
「あなたの口座が犯罪に使われている」
や、警察を名乗る不審な電話には迅速に対応しない姿勢が求められます。
また、
「+」
から始まる国際電話や非通知設定の電話番号に注意することも重要です。
さらに、固定電話への迷惑電話防止機能の活用や
「みんとめ」
運動への参加など、日常的にできる対策を徹底していきましょう。
最後に、疑わしい電話を受けた場合は一人で抱え込まないようにし、家族や相談窓口にすぐ相談するように心がけてください。
「みんなでとめよう!!国際電話詐欺」
の活動を通じ、意識を高め、特殊詐欺の被害を未然に防ぐことができる社会を目指しましょう。