日本のスターバックスがなぜここまで成功しているのか、米国本社が経営難に苦しんでいるのとは対照的です。
日本のスタバは、独自の戦略と商品開発力を持っており、顧客の心をつかんでいます。
この記事では、その理由を詳しく解説していきます。
スターバックスの魅力を再発見し、次回の訪問時に楽しんでいただけるような情報をお届けします。
目次
日本のスターバックスはなぜ好調なのか?
日本国内では、スターバックスの売上が右肩上がりで成長しています。
2023年比で111.1%の売上高増加は、その証拠です。
そんな日本のスターバックスが好調な理由について、3つのポイントに分けてご紹介します。
1. 日本独自の新商品開発力
季節限定商品や地域メニューの強み
日本のスターバックスは、季節限定の商品や地域ごとのご当地メニューを積極的に展開しています。
これにより、国内の消費者のニーズに応え、常に新しい体験を提供しています。
例えば、2025年春の限定商品「春空 ミルクコーヒー フラペチーノ」は、特に人気があります。
この商品は、いちごのボールが入っており、飲む前に割って味を変えることができるため、楽しみ方が広がります。
700円超という価格帯は、決して安くはありませんが、その魅力的なビジュアルや新しい味わいが多くの人々を惹きつけています。
SNSを利用した話題作り
さらに、スターバックスはSNSを活用し、商品発売ごとに話題を作ることにも力を入れています。
フラペチーノの季節限定シリーズは、月に1~2回のペースで新商品が投入されるため、消費者の期待感を高め、訪問を促します。
このような細やかな商品開発が、リピーターを生む要因となっているのです。
また、2020年から始まった日本独自のティー専門店「スターバックス ティー & カフェ」も人気を集めており、コーヒーと紅茶の両方を楽しめる新たな選択肢を提供しています。
これにより、様々な顧客層にアプローチできるようになっています。
2. 立地に合わせた店舗開発力
地域特性を活かした店舗設計
スターバックスは、立地や客層に合わせた店舗設計を行っています。
日本国内には、観光名所やビジネスエリアに合わせた店舗が多く存在し、それぞれの地域の特性を活かしたサービスを提供しています。
例えば、富山の「世界一美しいスタバ」である富山環水公園店は、訪日外国人の間で非常に人気があります。
この店舗は、自然に囲まれた美しい景観の中に位置し、地元の人々だけでなく観光客も訪れるスポットとなっています。
ユニークな店舗の例
また、渋谷のスクランブル交差点に面した「SHIBUYA TSUTAYA 2F店」は、窓からスクランブル交差点を見下ろせるため、訪日外国人が集まるメッカとなっています。
このように、スターバックスは単なるコーヒーショップ以上の体験を提供することに成功しています。
特異な店舗設計の例として、越谷イオンレイクタウンにある「子連れスタバ」が挙げられます。
この店舗は、子連れの家族が快適に過ごせるよう、ソファ席を多用し、子ども向けメニューも用意しています。
また、テーブルが低く設定されているため、子どもが使いやすく、ベビーカーでも利用しやすい導線を考慮した設計になっています。
こうした工夫が、多様な顧客層に対応する店舗を作り上げているのです。
3. デジタル対応強化によるCX戦略
モバイルオーダーの導入
モバイルオーダーやポイント制度の導入により、顧客体験を向上させています。
特に、コロナ禍の影響でモバイルオーダーが定着し、利便性が高まりました。
スターバックスは、公式モバイルアプリを導入し、2020年には「モバイルオーダー&ペイ」を全店舗で導入しました。
これにより、顧客は店舗で待たずに商品をテークアウトできるようになり、時間を有効活用できるようになっています。
ポイント制度での顧客ロイヤルティ向上
さらに、スターバックスのアプリでは、購入金額に応じてポイントが貯まり、ドリンクやフードと交換できる「スターバックス リワード」というプログラムがあります。
このプログラムは、固定客化を図るための重要な戦略となっており、顧客がリピート利用する動機を強化しています。
2024年5月からは、会員登録しなくてもモバイルオーダーを利用できる「App Clip」という新サービスも導入され、新規客開拓につなげています。
このようなデジタル化を大胆に進められたのは、2015年にTOBによって米スターバックスの完全子会社化となり、上場廃止したことが影響しています。
これにより、日本のスターバックスは米国本社の管理から解放され、より自由に成長できる基盤を得ることができました。
この自由度が、迅速なサービスの導入や独自の戦略を実行するための鍵となっています。
まとめ
日本のスターバックスは、独自の戦略と強いミッション経営によって、顧客の心をつかんでいます。
今後も新しい商品やサービスを投入し続け、顧客の期待に応えていくことでしょう。
米国本社が不調であっても、日本のスターバックスは成長を続けています。
これからも、スターバックスでの素敵な体験を楽しんでいけることに期待します。