ニセコの海外客バブルは、日本のスキーリゾートとしては異例の現象です。
その背景には、海外の富裕層が求めるパウダースノー、高級ホテル、グルメなどの魅力があります。
しかし、ニセコの発展には、地元の人々や環境にも影響を及ぼしています。
ニセコの海外客バブルの現状と課題について考察します。
目次
海外の富裕層がニセコに集まる理由
ニセコは、北海道の倶知安町とニセコ町にまたがるスキーリゾートエリアです。
2000年代以降、オーストラリア人を中心に海外のスキーヤー・スノーボーダーに人気が高まり、外国人宿泊客の数は増加の一途をたどっています。
2018年度には、両町合わせた外国人宿泊客延べ数が68万2163人と過去最高を記録しました。
海外の富裕層がニセコに集まる理由
海外の富裕層がニセコに集まる理由は、何といっても極上のパウダースノーです。
ニセコは冬季にシベリアからの寒気と日本海からの湿った空気がぶつかり合い、大量の雪を降らせる気象条件に恵まれています。
その雪は乾燥して軽くてサラサラで、世界でも有数の雪質と言われています。
海外の富裕層は、この雪を求めてニセコにやってきます。
外資系の高級ホテルやコンドミニアムの進出
また、ニセコには、外資系の高級ホテルやコンドミニアムが多数進出しています。
2008年には、シティグループが買収したニセコ東山プリンスホテルがヒルトンニセコビレッジとしてオープンしました。
2020年には、パークハイアットとリッツ・カールトンがニセコにオープンしました。
これらのホテルは羊蹄山を望む絶景のロケーションや、スキー場と直結した便利さ、温泉やスパなどの施設、高級レストランなどを提供しています。
海外の富裕層はこれらのホテルに宿泊して、快適で贅沢なスキーライフを楽しみます。
ニセコの海外客バブルがもたらす経済効果と課題
ニセコの海外客バブルは、地元の経済にも大きな影響を与えています。
外国人観光客は宿泊料金や飲食代、スキー用品の購入やレンタルなどで多額の消費をしています。
ニセコエリアの宿泊料金は、エクスペディアが契約するホテルの1泊あたりの平均価格が約6万円と高額です。
カツカレーが2400円、かにラーメンが3800円という値段設定のレストランもあります。
これらの料金は日本人にとっては高すぎるかもしれませんが、海外の富裕層にとっては安いと感じる場合もあるようです。
地元の税収の増加
ニセコの海外客バブルによって、地元の税収も増えています。
倶知安町は2019年11月から、宿泊税を全国で唯一の定率制で導入しています。
宿泊料金の2%が宿泊税として徴収され、その収入はまるまる町の収入になります。
また、地価の高騰に伴い固定資産税が上がって町税が増えたことで、地方交付税が減額されるという現象も起きています。
ニセコの発展が及ぼす地元の人々や環境への影響
しかし、ニセコの発展には地元の人々や環境にも影響を及ぼしています。
人材の確保と待遇の問題
一つは、人材の確保と待遇の問題です。
ニセコのスキーシーズンは冬の3ヵ月間で、その間に約5万人の人が住む状態になります。
そのため、ホテルやレストランなどのサービス業は、大量の人手を必要とします。
しかし、地元の人材は不足していて、他の地域からの出稼ぎや外国人労働者に頼らざるを得ません。
そのため、時給は2000円を超える職種もあり、宿泊施設や食事などの待遇も手厚くなっています。
これは、人材獲得のための競争が激化していることを示しています。一方で、地元の人々は、物価の高騰や生活環境の変化に不満を感じる場合もあります。
また、外国人観光客とのコミュニケーションや文化の違いにも悩むことがあるでしょう。
自然環境の保護と開発のバランスの問題
もう一つは、自然環境の保護と開発のバランスの問題です。
ニセコは、羊蹄山やニセコ連峰などの美しい自然に恵まれています。
しかし、外国人観光客の増加に伴い、ホテルやコンドミニアムなどの開発が進んでいます。
これによって、自然景観が損なわれたり、生態系が破壊されたりする恐れがあります。
また、水質汚染やごみの処理などの環境問題も深刻化しています。
ニセコの自然は、海外の富裕層がニセコに来る最大の魅力です。
その自然を守るためには、開発と環境保護のバランスをとることが必要です。
ニセコの海外客バブルに対するまとめ
ニセコの海外客バブルについて、肯定的な面と否定的な面の両方があると考えています。
肯定的な面
肯定的な面としては、地元の経済の活性化や国際的な交流の促進などが挙げられます。
ニセコは海外の富裕層にとって魅力的なスキーリゾートとして認知されていて、その消費は地元の収入になっています。
また、ニセコには、多様な国籍や文化の人々が集まっていて、地元の人々にとっても新しい刺激や学びの機会になっています。
ニセコは、日本のスキーリゾートの中でも特に国際色豊かな場所です。
否定的な面
否定的な面としては、地元の人々や自然環境の負担や損失などが挙げられます。
ニセコは、海外の富裕層にとっては安いと感じるかもしれない料金設定や開発計画によって、地元の人々の生活水準や自然景観が変わってしまっています。
また、ニセコは、外国人観光客の増加に伴う環境問題や人材問題などに対処するための体制や規制が十分ではないと感じることがあります。
ニセコは、日本のスキーリゾートの中でも特に複雑な問題を抱えている場所です。
ニセコの地元の人々や自然環境の利益を守るための対策
ニセコの海外客バブルが今後も続くとすれば、地元の人々や自然環境の利益を守るために以下のような対策が必要だと思います。
- 地元の人々の意見やニーズを反映した観光政策の策定と実施
- 外国人観光客に対する適切な料金設定やサービスの提供
- 外国人労働者の受け入れや教育の充実
- 自然環境の保護や管理の強化
- 開発と環境保護のバランスをとるための基準や制限の設定
ニセコの海外客バブルは、日本のスキーリゾートとしては異例の現象です。
その現象には、魅力と課題が混在しています。
ニセコの将来には、地元の人々や自然環境の利益を考慮した観光政策が必要です。
ニセコは、日本のスキーリゾートの中でも特に注目されるべき場所です。
Xでのニセコの海外客バブルへの反応
3800円ラーメンも…ニセコの海外客バブル 人材確保へ時給も高騰で“出稼ぎ”
日本に中国人殺到って何よ🤔もう pic.twitter.com/c4lAbDpfpA— diep(ジエップ) (@Diep0105) February 12, 2024
ニセコにしても、ボッタクリ市場で有名な、近江町、錦黒門市場にしても、結局「円安からの海外客バブル」でそうなってるわけだけど、初詣で行った成田山の商店街が、外国人だらけにも関わらずにそうでもないのって、「俺、逆に騙されてるの?」って思えるレベルだった。
— 5葬フイさんか何か (@Q4VXlmEgGEbDzca) February 12, 2024
「ニセコの海外客バブル」…ちゃんと納税されてる?🤔
— shiri1991classic (@shiri1991clssic) February 12, 2024
ニセコの海外客バブルは日本人がフランス行けばパリに行く。みたいなもんなのか?パリは素敵な街だと思う。
— ゴリらるら (@__hirorone__) February 12, 2024
「ニセコの海外客バブル」は、あの辺ででかい災害が起きたらすぐに収まります。
それよりも、「20年以上続く大企業優遇と緊縮政策のせいで、円安=円の価値が下がり続けてる」事を心配した方がいいです。
— 5葬フイさんか何か (@Q4VXlmEgGEbDzca) February 12, 2024
ニセコの海外客バブルの記事を見て平成時代の「東南アジアの屋台が安い♡」とキャッキャしてた日本の過去を思い出す
時代は巡るというか天に吐いたツバは自分にかえるというか。因果は巡るんやな— り (@NivWed) February 12, 2024
ニセコの海外客バブル関連のポスト見てるけど、本当に日本は後進国なんだなあ…
— うらふわ屋 (@urafuwatty09) February 12, 2024
ニセコの海外客バブルって聞くと桃鉄みたいだなって思う
本当に起こるんだね— 小池 (@t19890221) February 12, 2024
「ニセコの海外客バブル」って言うか、インバウンド向けの観光地価格なんて大体似たような感じ。能登半島地震の後の近江町市場のように、外国人が来なくなったら、慌てて元の値段に戻すものだよ。
— 5葬フイさんか何か (@Q4VXlmEgGEbDzca) February 12, 2024
日本に来て日本の良さを知って欲しい!ニセコよりも素晴らしい場所は沢山あるから。
3800円ラーメンも…ニセコの海外客バブル 人材確保へ時給も高騰で“出稼ぎ”も✨✨😍
カツ丼が3000円 世界的リゾート"ニセコ"にバブル現象?コロナ後に海外客が殺到 時給上昇の影響も… pic.twitter.com/Q2sg9YDONS— 🦋امِ مُصطفٰی🦋 (@2MLK4) February 12, 2024
ニセコの海外客バブル
日本人より海外旅行者が日本の経済をまわすのが現実。
文句を言うより金落とす人が大切よ。
ホテル従業員の福利厚生も充実。 pic.twitter.com/QsrTf2S1ea— ガッテム竹内(元ハガキ職人) (@GTT214) February 12, 2024